ビデオデコーダとは?種類や利用方法などを解説

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基礎知識 —

こんにちは!
ネットワーク監視カメラとAI画像認識システムのシステム・ケイです。

今回は、動画再生や監視カメラシステム等に使われているビデオデコーダについて解説していきます。

ビデオデコーダとは?種類や利用方法などを解説

ビデオデコーダとは

エンコード(伝送・保存しやすくするためにデータを別形式に変換すること)されたデータを元の形式に変換する処理をデコードといい、それを行うハードウェアまたはソフトウェアのことをデコーダといいます。

ビデオデコーダとは、圧縮された動画データを元の形式に変換する装置やソフトウェアのことです。

動画のデータ量は大きいので、そのまま保存や送信をすると、容量を圧迫したり、時間がかかったりしてしまいます。
そのためデータを圧縮して保存や送信を行いますが、圧縮されたデータでそのまま動画の再生はできません。
圧縮されたデータを、元の形式に変換する作業を行うのがビデオデコーダです。

▼現在、取り扱っているビデオデコーダについてはこちら
ネットワークカメラ商品一覧

ハードウェアのビデオデコーダはなぜ必要?

ネットワークカメラの場合、映像をモニターに直接表示することはできず、専用のアプリケーションやWebブラウザを経由する必要があります。

これは、ネットワークカメラの映像がイーサネット経由で送られるデジタルデータであり、一般的なモニターで扱う映像信号とは形式が異なるためです。

ネットワークカメラの映像をモニターに表示させるには、データをHDMIなどの映像信号に変換する処理(デコード)が必要であり、その役割を担うのが「ビデオデコーダ」と呼ばれる専用機器です。

エンコーダとの違い

エンコーダとは、データや情報を別の形式に変換するハードウェア、またはソフトウェアのことです。
伝送・保存しやすくするためにデータを別形式に変換することを「エンコード」と呼びますが、これに対し、エンコードしたものを元のデータの形式に変換することを「デコード」と呼びます。

デコードの種類

ビデオデコード

エンコードされた動画を、デコードし、人間が見られる映像にすること。
私たちがスマートフォンやパソコン、テレビなどで動画を見るときに必ず行われている基本的かつ不可欠な処理です。
例:H.264、H.265、VP9、AV1等・・・

画像デコード

JPEGやPNGなどの画像ファイルに保存されたデータを、画面に表示できるピクセル画像として元の形式に変換する処理のこと。
画像ファイルを「人が見える画像」にすること。

文字コードデコード

バイナリ(0と1の2進数で構成された数値)で表現された文字データを、人間が読める「文字」に変換する処理のこと。
コンピューター内部で扱っているデータを特定の文字コード(例:UTF-8、Shift_JIS、ASCII等・・・)に基づいて解釈して、「A」や「あ」などの実際の文字に形式変換することを意味します。

URLエンコード・URLデコード

URLエンコードとは、URL内で使用できない文字(例:日本語、空白、記号など)を、半角英数字と記号のみで表現できるように変換する処理のこと。
URLデコードはその逆で、エンコードされた文字列を元の形式に変換する処理のこと。
非ASCII文字(日本語など)をURL内で安全に使えるようにするために行います。

■URLデコードの使用例

使用例 説明 デコードされる内容
検索キーワードの取得 Webサイトにアクセスしたユーザーの検索語を取得 ?q=%E6%A4%9C%E7%B4%A2 → 検索
フォーム送信の処理 フォーム入力値を受け取る name=%E7%94%B0%E4%B8%AD → 田中
ログファイルの解析 URLを解析して内容を読む /search?q=%E3%83%86%E3%82%B9%E3%83%88 → /search?q=テスト
URLパラメータの表示 クエリ文字列をそのまま画面に出す age=20&job=%E7%94%9F%E5%BE%92 → age=20 job=生徒

動画圧縮方式

動画を見た目の品質を保ちながら、データ量を小さくする圧縮方法のこと。(例:H.264、H.265、VP9、AV1等・・・)
動画は「たくさんの画像(フレーム)」の集まりです。
動画圧縮方式では、同じような部分はまとめて処理したり、見えない部分や人間に気づかれにくい情報を省略し、動画の容量を小さくしています。

圧縮ファイルの解凍

エンコードによって圧縮されたファイルを解凍し、元のデータサイズに戻すこと。
※ここで「デコード」という言葉を広義に「元に戻す処理」という意味で用いていますが、圧縮ファイルの解凍は厳密には「伸長」と呼ばれ、エンコード/デコードとは異なる目的と処理に基づいています。

ビデオデコーダの利用例

ビデオデコーダの利用例は以下の通りです。

  • スマホ・PCでの動画再生
  • テレビ・録画機での再生
  • 監視カメラ映像の再生
  • ドライブレコーダーの映像再生

つまり、「動画を見る」=デコーダが必ず裏で動いていることが分かります。

ビデオデコーダの例(スマホ・PC/テレビ/録画機/監視カメラ/ドライブレコーダー)

ビデオデコーダを選ぶ時の注意点

ビデオデコーダを選定する際に、いくつかの注意事項があります。
以下の点に注意しましょう。

映像圧縮方式を確認

IPカメラやエンコーダで映像をデジタルデータに変換する際にはMotion JPEG、MPEG-4、H.264、H.265といった映像圧縮方式が使われています。
これらの圧縮方式にデコーダが対応しているか確認する必要があります。

出力解像度の確認

デコーダには、出力できる解像度の上限があります。
出力解像度についても確認を怠らないようにしましょう。

再生環境との互換性

デコーダが動作しない・再生できない等のトラブル防止の為、OS(Windows/Mac/Linuxなど)や再生ソフトにデコーダが対応しているかどうか確認する必要があります。

まとめ

  • ビデオデコーダとは、圧縮された動画データを元の形式に変換する装置やソフトウェアのことです。
  • 動画を再生するためには、ビデオデコーダが必須となります。
  • ビデオデコーダの選定時には、映像圧縮方式の確認、出力解像度の確認、再生環境との互換性を確認しましょう。

いかがでしたか?
ビデオデコーダーや、監視カメラシステムの導入をお考えの方は、システム・ケイまでお気軽にご相談ください!

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