カメラでよく聞く「露出」の意味。露出補正が必要なケースは?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

基礎知識 —

こんにちは!ネットワークカメラとIP監視カメラシステムのシステム・ケイです。

今回は露出についての説明と防犯カメラにおける露出の調整について解説していきます。
ぜひ最後まで読んで、監視カメラの目的に合ったカメラの露出を考えましょう!

露出とは

露出とは?

カメラの「露出」とは、写真や映像を撮るときにレンズに取り込まれる光の量のことです。

カメラの露出には3つの要素が関係しています。
それはシャッタースピード・絞り・ISO感度であり、それぞれ時間、カメラの構造、データ処理能力によって調節しています。
この3つの要素を掛け合わせたものが露出になります。

露出(≒明るさ)= シャッタースピード×絞り×ISO感度

また、これらの3つの要素を調整して露出の設定を変更し、写真の明るさをコントロールすることを露出補正と言います。
ここではそれぞれの要素について詳しく見ていきます。
 

シャッタースピードとは?

まずシャッタースピードとは、カメラのシャッターが開いている時間のことです。
カメラのシャッターが開いてる間はイメージセンサーに光が当たります。

「シャッタースピードが遅い」=イメージセンサーに光が当たっている時間が長い

「シャッタースピードが速い」=イメージセンサーに光が当たっている時間が短い

ということです。
なので、シャッタースピードが遅い場合、より明るい写真が撮れます。
しかし、遅すぎると被写体が動くものである場合、その軌道が映り込んでしまいます。これがいわゆる「ブレ」になります。シャッタースピードが速いとそのようなブレがなく綺麗な写真が撮れるというわけです。

これは静止画の場合の話であり、ビデオなどの動画では動く被写体を滑らかに撮影するためにシャッタースピードに制限を設けています。一般的には1/60秒程度で、少しブレた写真を撮影する場合もありますが、むしろそれがなめらかな動画を作るというわけです。

したがって動画を撮影する場合、一般的には設定を変更する必要はありません。しかし、静止画として切り出す目的で撮影した動画やスロー再生を目的とした動画ではブレがないように調節する必要があります。
 

絞りとは?

絞りとは、レンズから入る光の量を調節する穴の大きさのことです。絞りの大きさからくる光の量の数値をF値で表します。
穴が小さいほど、F値は高くなります。レンズごとに絞りの最低値は決まっていて、その値を「絞り開放値」といいます。

カメラの絞りF値

この絞りは、写真のぼけにつながる要素といえます。F値が小さいほど、全体が大きくぼけて写ります。
一般的に被写体だけにピントを合わせ背景をボカしたい時はF値を小さくします。背景までくっきり写したい時はF値を大きくします。
 

ISO感度とは?

ISO感度とは、カメラがデータ処理を行う能力を数値化したものです。
カメラは被写体の光をデジタル画像データに変換する部品を使って画像を作成しています。その部品が光を電気信号に変えます。ISO感度をあげることは、光のデータを変換する際の電気信号を高くすることです。

なので、ISO感度をあげると暗い場所の写真も明るく撮れるというわけです。しかし、あげすぎると画質が荒くなりざらついた画像になってしまうことがあります。
ISO感度をあげるのはカメラの絞りによる光の調整が困難な時が良いでしょう。

それぞれの要素

防犯監視カメラでの感度についてはISO感度ではなく、「照度」が関係します。
照度とは人間の目で感じる明るさの単位です。(Lux:ルクス)
この照度の値が大きいほど明るく、小さいほど暗くなります。
監視カメラにおける「高感度」とは、撮影可能な「最低照度(最低被写体照度)」の値が小さいカメラの事を言います。
防犯監視カメラの最低照度の値が小さければ小さいほど感度が高く、暗い場所でも少ない光でより鮮明に撮影することができるのです。
 

防犯監視カメラでどういう時に露出を調整するの?

防犯監視カメラに備わっている逆光の自動補正や、昼と夜の露出を自動調整するDay&Night機能などはオート露出(AE)機能の一つです。基本的にはこの機能を使って問題ありません。
では、露出調整をする必要があるのは、どんなシーンなのか見ていきましょう。
 

撮影者が意図的に暗い/明るい動画を撮りたい場合

撮影者が意図的に暗い/明るい動画を撮りたい場合はオート機能ではなく、露出調整を行う必要があります。
 

雪などの白いものが多い場合

雪などの多いところを撮影する場合、オート露出の機能では光が多いと認識されて、露出を抑えた暗い映像になってしまいます。そのような場合には露出を明るめに調整することをお勧めします。

雪道

 

光の量が少なく暗い場合

薄暗い部屋や、街頭の少ない外の動画を撮る場合、目的に合った対象を認識できるように露出を調整する必要があります。

以上、数例の使用例を並べましたが、暗すぎる場所の撮影を希望する場合は露光調整ではなく、暗視専用の赤外線カメラ等を利用することをお勧めします。

 

露出の違いを利用したWDR機能に注目!

ところで、WDR機能(ワイドダイナミックレンジ機能)をご存じですか?
画角の中に光の強い部分と暗い部分が同時に存在する時、どっちに合わせてもうまく撮れない場合にこの機能が役に立ちます。
この機能は、シャッタースピードが1/120秒であり、普通のカメラが1枚撮影する間に2枚の写真を取ることができます。
その2枚のうち1枚目を明るいところの露出で撮り、2枚目を暗いところの露出で撮り、同時にその2枚をデータ処理の段階で合成することで、暗いところも明るいところもはっきり撮れる機能なんです。

具体的な活用シーンとしては、天気のいい日に室内から窓側にいる人を撮る場合などに利用します。
この場合、普通のカメラで太陽光の明るさに合わせると人がぼやけてしまいます。逆に、人に合わせると、暗すぎて顔を識別できなくなってしまったりします。ここでWDR機能を使えば、自然な動画が撮れます。

窓際に人がいる写真

 

WDR機能を持った防犯監視カメラの紹介

システム・ケイではWDR機能を持った監視カメラを多数取り扱っています。
今回は4つのカメラを紹介したいと思います。

VIVOTEK IB9368-HT

IB9368-HT

VIVOTEK SNVおよびWDR Pro技術を搭載し、高コントラストな環境と低照度環境の両方で高品質の画像を撮影することができます。また、画質を維持しながら、ストレージの使用量を削減することができるのも特徴です。

詳細ページはこちら

VIVOTEK FE9380-HV

FE9380-HV

高解像度のレンズとデイナイト機能により24時間高画質の映像を撮影し続けることができる360°魚眼カメラです。
WDR Proを搭載しており、極端に明るい場所や暗い場所にも強いです。

また、防塵防水・耐衝撃性能も備えており、屋外撮影に最適です。

詳細ページはこちら

AXIS M3088-V

M3088-V

コンパクトな設計で、関心のある対象に集中した動画撮影を可能にし、かつ、WDR機能とLightfinderによる優れた画質を提供できるドーム型カメラです。

詳細ページはこちら

ACTi B55

B55

最大解像度10メガピクセル、標準のWDR機能を備えた室内型の魚眼型ドーム型カメラです。

詳細ページはこちら

露出のまとめ

  • カメラの「露出」とは、写真や映像を撮るときにレンズに取り込まれる光の量のことです。
  • 防犯監視カメラにおいては、意図的に暗い動画や明るい動画を撮りたいときに露出調整を行う必要があります。
  • カメラの露出はシャッタースピード、絞り、ISO感度によって決まります。
  • WDR機能により、撮影範囲の中に明るさの違う場所があるような状況でも動画の撮影が可能になります。

取扱いカメラ一覧

 

カメラの露出について、理解いただけましたでしょうか。
何かご不明な点などありましたら、システム・ケイまでお気軽にお問合せください。

カメラでよく聞く「露出」の意味。露出補正が必要なケースは?のお問い合わせ

お問い合わせ