魚眼レンズとは?広角レンズとの違いについても解説
こんにちは!
ネットワークカメラとIP監視カメラシステムのシステム・ケイです。
カメラに使われるレンズには、広角レンズや魚眼レンズなどいくつか種類があります。
今回はその中でも少し変わった魚眼レンズについて、特徴や広角レンズとの違いについて解説していきます!
魚眼レンズとは
魚眼レンズは、非常に広い画角を持ち、通常のレンズよりも広い範囲を捉えることができる超広角レンズの一種です。
周囲の景色を球面上に歪ませるという特徴を持つため、視覚効果や芸術的な表現に利用されます。
この特徴から、魚が水中から空を見上げた時に、水の屈折で空がゆがんで見えるというその見え方がレンズの名前の由来になっています。
魚眼レンズの特徴
非常に広い画角
魚眼レンズの最大の特徴である画角は、通常の超広角レンズよりもさらに広く、180度以上のものもあります。
これにより、通常のレンズでは捉えることが難しい広範囲の景色や全景を一度に撮影することが可能です。
カメラのレンズに関係する「画角」と「焦点距離」って何?
歪み
魚眼レンズで撮影された画像は、「歪曲収差」と「像面歪曲」の2種類の歪みが複合的に発生する影響で、中心から外側に行くにつれて歪みが強くなります。
歪曲収差
歪曲収差とは、像が樽型に歪む現象で、魚眼レンズで非常に一般的です。これは、光線がレンズを通過する際に屈折するため発生します。この歪みの影響で、周囲の物体や景色が引き伸ばされたり、縮んで見えたりします。
像面歪曲
全てのレンズにある程度発生しますが、魚眼レンズの特殊な設計により、その影響が顕著に見られる場合があります。像面歪曲の影響で、地面や水平線が湾曲して見えることがあります。
広角レンズとの違い
広角レンズと魚眼レンズの主な違いは、画角と歪みです。
一般的な広角レンズの画角は約60度以上なのに対して、魚眼レンズは広いものだと180度にも及びます。
また歪みについて、広角レンズは歪みが少なく、より自然な状態を撮影でき、垂直・水平の線がそのまま直線として映ります。
対して魚眼レンズの歪みは非常に強く、直線のものを撮影しても中心から外側に行くにつれ曲がっていきます。
そのため、広角レンズと魚眼レンズでは、適した撮影シーンが異なります。
→広角レンズ記事URL(現在作成中)
魚眼レンズの射影方式
射影方式(プロジェクション)とは、3次元空間の情報を2次元の平面上に投影する方法やルールのことを指します。
具体的に言えば、レンズを通して捉えた光をどのようにセンサーやフィルム上に再現するかを決定する方式です。
日本で使用される魚眼レンズの射影方式は、具体的な用途や文脈によって異なりますが、一般的には以下の方式が多く採用されています。
- 等立体角射影方式(Equisolid Angle Projection):
広く使われている標準的な魚眼レンズの射影方式です。パノラマ写真や風景撮影における自然な広がりを撮影するのに適しています。多くの市販の魚眼レンズはこの方式を採用しています。
- 等距離射影方式(Equidistant Projection):
天文学やドームシアターなどでの使用にも適しており、正確な角度測定が必要な場合に採用されることがあります。例えば、プラネタリウムの撮影や全天カメラなどがこれにあたります。
これらの方式は、日本の多くのカメラメーカー(例えば、Canon、Nikon、Sony)によって採用されているため、日本国内の製品で一般的に使用されています。
他にも、遠近感を排除し、物体の形状や寸法が歪むことなく等しい縮尺で表示することを目的した正射影方式や、角度と面積のバランスがとれた方式で、パノラマ写真や映像制作でよく使用される立体射影方式などがあります。
製品のマニュアルや仕様書などを見ると、魚眼レンズがどの射影方式を採用しているかが記載されている場合があります。
用途や目的に応じて、適切な射影方式を選ぶことが重要です。
魚眼レンズの種類と特徴
対角魚眼
対角魚眼レンズは、対角線上で最大の視野角を持つタイプの魚眼レンズです。
画角は通常180度以上で、非常に広い視野を捉えることができます。
種類によって歪みの現れ方も変わり、対角魚眼レンズの場合は画像の中心から周囲に向かって球面上に歪むという特徴があります。
円周魚眼
円魚眼レンズは、画像を円形に切り取るタイプの魚眼レンズです。
画角は通常180度以上で、円の中心に立体的な世界を捉えます。
円魚眼レンズの歪みは対角魚眼レンズとは少し違い、画像の四隅に歪みが強く、全体的に歪んだ球面像となります。
魚眼レンズではこんな写真が撮れる!
魚眼レンズを利用し、さらに構図や被写体に工夫を施すことで、様々な表情の写真が取れます。
奥行きや高さをより一層強調する
焦点距離が短いため遠近感が強調されます。
奥行きや高さが一層強調された臨場感のある写真が撮影できます。
大きな歪みで空や天井が丸く写る
範囲をとればとるほど歪みが大きくなり、空や天井が丸く写ります。
これは一般的なカメラでは撮影することのできない風景です。
特に高さのある被写体や天井は魚眼レンズとの相性がばっちりです。
写真の中心部を極端に大きく写すことでインパクトのある写真に
あえて思いっきり被写体に近づいて撮影することでこんな写真も。
中心に写る被写体が極端に大きく写りインパクト抜群の味のある構図となります。
他にもスポーツやダイナミックなシーンを撮影する際にも、動きの迫力を表現できます。
魚眼レンズの応用、全方位カメラ!
ひとつで180度以上もの画角を持つ魚眼レンズですが、これを2つ合わせることで360度の撮影を可能にしたものが、全方位カメラです。
シャッターを切ると2つのレンズが同時に撮影し、その画像をつなぎ合わせて360度映しています。
さらに、システム・ケイの映像管理システムであるSK VMSには、魚眼レンズの歪み補正機能が備わっています。
そのため、通常の魚眼レンズで撮影したときのような歪曲を抑えて、より自然な映像または写真を撮影することができます。
まとめ
- 魚眼レンズとは180度以上にも及ぶ画角を持ったレンズ
- 中心から端にいくにつれ強く特徴的に歪んだ写真を撮影できる
- 写真の表情が構図等で大きく変化するため、インパクトの強い写真を撮影可能
魚眼レンズを使用した防犯カメラの導入をお考えの方は、システム・ケイまでお気軽にご相談ください!