車載カメラの証拠能力について。付けておいた方が良い理由とは?
こんにちは!
ネットワークカメラとIP監視カメラシステムのシステム・ケイです。
タクシーなどでの車内のトラブルや交通事故の状況を記録するツールとして注目が集まっている車載カメラ。
実際のところ、車載カメラで撮影した映像は交通事故の証拠として使えるのでしょうか?
今回は車載カメラについてのお話。
車載カメラの種類やその映像の活用シーン、車載カメラを付けておいた方が良い理由などについてお話します。
運転中の視界と同じ映像を記録できる「車載カメラ」
車載カメラとは自動車専用のビデオカメラのことで、ドライブレコーダーとも呼ばれます。
車のフロントガラスに取り付けることで、運転手の視界と同じ映像を自動的に録画することができます。
2003年頃からトラックやバス、タクシーなど業務車両へ導入が始まり、国土交通省の調査によると業務用車両へのドライブレコーダーの普及率は現在5~6割程度まで上がってきています。
一般車両への普及率はまだ少ないですが、2012年の京都祇園軽ワゴン車暴走事故や、2017年の東名高速道路の死亡事故などをきっかけに注目が集まり、一般車両への導入も少しずつ増えてきています。
車載カメラの種類
車載カメラには必要なシーンや機能に合わせて利用できるように、様々な種類があります。数ある種類の中から、いくつかピックアップしてご紹介しますね。
常時録画型
大容量の記録媒体が搭載され、運転中は常に録画をするタイプ。
事故に関係ない風景や通行人なども録画されるため、行方不明者の捜索や確認などのために警察へ映像を提出することもあります。
イベント記録型
事故などの大きな衝撃を感知して、事故の前後数十秒間の映像を録画するタイプ。
駐車中の当て逃げや車上荒らしにあってしまった時も車への衝撃を契機に録画が始まります。
同じく車の周りで動くものを感知して録画を開始する「モーションセンサー機能」や「動体検知機能」などを搭載しているものもあり、車上荒らしや車へのいたずらなどに対する対策を行うことができます。
多機能型
録画機能以外にも、カーナビやワンセグなど車の走行に便利な機能が一つになっているタイプ。
複数の装置を一台にまとめることができるので配線や機材が一つですみ、車内がスッキリします。
車載カメラの映像が裁判で証拠として認められた実績あり!
車載カメラで記録された映像はデジタルデータなので、加工することが可能なことから信頼性が低く証拠能力に乏しいと言われることもあるようです。
しかし、実際にはデジタルデータであるからといってそれが理由で証拠能力に欠けるということはありません。
交通事故の民事裁判で、ドライブレコーダーの映像や音声が証拠として認められた例もあります。
ただし、警察のスタンスとしてはドライブレコーダーの映像は事故を起こした時に証拠とするためのものではなく、あくまでも自分の運転行動を客観的に振り返り、その反省をもとに安全運転の意識を向上させて交通事故を防止するために活用するものとしています。
ドライブレコーダーの映像を裁判資料として提出することは可能ですが、それが証拠として採用されるかどうかは裁判官が個別に判断することになります。
車載カメラを自家用車に導入するメリットは?
タクシーやトラック、バスといった業務車両へは続々と導入が進んでいる車載カメラ。
業務車両へは遠隔で映像の監視や管理ができる車載ネットワークカメラの導入も始まっています。
自家用車への車載カメラの導入にも下記のようなメリットがあります。
必要性を感じた方や気になっている方はぜひ導入を検討してみましょう。
自分の運転技術や癖を確認し、事故を防止するために気を付けることができる
自分の運転中の癖や運転の特徴などは自分ではわからないものです。
車載カメラの映像を定期的に見返すことで、急発進が多い、ブレーキが遅い、歩行者に気づいていなかったなど運転中に気を付けるべき点を確認することができます。
良くない癖や不注意に気を付けながら運転することは、交通事故を防止することにつながります。
交通事故の際に正確な状況が確認できる
交通事故ではとっさのことでパニックになりやすく、自分の記憶も曖昧になりがちです。
どのくらいスピードを出していたのか、信号は赤だったのか青だったのか、どちらが悪いのか……など、車載カメラの映像は客観的な証拠になり、この証拠をもとに自分の無実や正しい過失割合を主張することができます。
当て逃げされてしまった際にも、相手の車のナンバープレートや車種などが映っていれば相手の車を特定できる可能性が高くなります。
悪質ドライバーからのあおり運転や車上荒らしなどの抑止力になる
2017年の東名高速道路での死亡事故は記憶に新しいと思います。
この事故でも車載カメラの映像が証拠となり、事故の真相が明らかになりました。
この事故をきっかけに車載カメラや「ドライブレコーダー撮影中」ステッカーの存在を知った方も多く、ステッカーを貼っていることで悪質なドライバーの危険行為や車上荒らしなどの抑止力になるでしょう。
もし実際に事故や車上荒らしにあってしまった場合は映像を証拠として提出することもできます。
警察の誤認検挙防止
一時不停止や信号無視などで警察から交通違反を指摘された時、もしそれが事実ではない場合に車載カメラにその映像が記録されていればその映像を証拠に抗議することができます。
ドライブレコーダーの映像が証拠となり不正検挙が訂正された実例もあるようです。
自動車保険の保険料が安くなる可能性がある
自動車保険の中には、車載カメラを設置することで保険料の割引を行う保険会社もあるようです。
その場合は対象となる車載カメラの機種が指定されている場合がありますので、設置の前に保険会社に確認しておきましょう。
まとめ
- 車載カメラ(ドライブレコーダー)は運転中の運転手の視界と同様の映像を記録する自動車専用のビデオカメラです。運転中は常時録画するタイプ、車への衝撃をきっかけに事故の前後を録画するタイプ、レコーダー以外にもナビやワンセグなどの機能を持つタイプなど様々な種類があります。
- 車載カメラで記録された映像は交通事故などの裁判において証拠能力を持ち、過去には実際に証拠として認められたケースもあります。ただし事故の際の証拠映像を撮影することが車載カメラの本来の目的というわけではないため、実際に裁判でその映像が証拠として採用されるかどうかは裁判官の判断によります。
- 業務車両への導入は進んでいる車載カメラですが、一般の自動車への普及はまだそれほど多くはありません。一般車両への車載カメラの導入は、事故やトラブルが起こった際に正確な状況を記録・確認できる、悪質なドライバーの走行妨害を抑止することができるなどのメリットがあります。自動車保険の保険料が安くなる場合もあるので、気になる方はぜひ導入を検討してみましょう。
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