監視カメラの価格の違いはなに?高いものと安いもののポイントを解説

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基礎知識 —

近年の監視カメラは、インターネットやLANなどのネットワークに接続して映像を送受信することができるネットワークカメラの普及が広がっています。さまざまな機能を持ったネットワークカメラが多く販売されており、ホームセンターやamazonなどのネットショッピング等、手軽に入手できる状況になっています。ネットワークカメラには価格の高いものから安いものまで数多く種類があります。今回のブログでは、なぜ価格差があるのかを解説していきます。

ネットワークカメラの価格はなぜ安い?高い?

ポイント1:画質

画質は、ネットワークカメラの映像の細かさや滑らかさを表す指標です。画質が高いほど、監視対象の細部や動きを鮮明に捉えることができます。画質は主に以下の3つの要素で決まります。

解像度

画像の横と縦の画素数(ドット数)を示す指標です。画素数が多いほど、画像が精細になります。解像度は「1920×1080」や「1280×720」などのように数字で表される他、FHD(フルハイビジョン)やHD(ハイビジョン)と表されることもありますます。解像度が高いカメラは、顔やナンバープレートを撮影するときに有効です。

解像度

フレームレート

動画の1秒あたりの画像数(フレーム数)を示す指標です。フレーム数が多いほど、動画が滑らかになります。フレームレートは「30fps」や「60fps」などのように数字で表されます。フレームレートが高いカメラは、速い動きや変化を捉えるのに有効です。

画角

カメラの視野角を示す指標です。視野角が広いほど、広い範囲を監視することができます。画角は「90°」や「120°」などのように数字で表されます。画角が広いカメラは、入口や通路などの広範囲をカバーするのに有効です。

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カメラのレンズに関係する「焦点距離」と「画角」って何?

イメージセンサー

イメージセンサーとは、光を電気信号に変換するデバイスで、カメラの心臓部とも言える部品です。イメージセンサーには大きさや種類がありますが、これらは写真の画質やカメラやレンズの大きさに影響します。イメージセンサーには、CCDとCMOSという種類があります。CCDは高画質でノイズが少ないですが、消費電力が高くて高価です。CMOSは低消費電力で安価ですが、画質が劣ってノイズが多いです。しかし、近年の技術革新により、CMOSの画質も向上しており、ほとんどのネットワークカメラはCMOSを採用しています。
レンズ
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撮像素子とは?役割と要素の詳細について説明します!

ポイント2:機能

機能が多いほど、ネットワークカメラの用途や目的に応じて柔軟に対応することができます。機能は主に以下のようなものがあります。

暗視機能

暗闇でも映像を撮影することができる機能です。暗視機能は赤外線LEDや赤外線フィルターなどの仕組みで実現されます。夜間や暗所での監視に有効です。また、照射距離も短い製品から長い製品まで多様です。
夜間撮影
▼夜間でも撮影できるカメラについてはこちら
赤外線カメラについて、機能やメリットをご紹介!

音声機能

音声を送受信することができる機能です。音声機能はマイクやスピーカーなどの装置で実現されます。会話や警告のコミュニケーションに有効です。例えば、侵入者を検知したら音で警告メッセージを再生する、管理者に音声で通知するなどが可能です。マイク内蔵型のカメラもメーカーから販売されています。
AXIS C1310-E ネットワークホーンスピーカー
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Axisネットワークオーディオスピーカー SK VMSでの活用

PTZ機能

遠隔操作でカメラの首振り(パン)、上下(チルト)、ズームを制御できる機能です。PTZはパン(Panoramac)、チルト(Tilt)、ズーム(Zoom)の頭文字から来ています。この機能を持つカメラをPTZカメラと呼びます。広範囲や危険な場所を監視したい場合に適しています。
AXIS M5525-Eネットワークカメラ
▼PTZカメラについてはこちら
PTZカメラとは?その特長と利用例をご紹介!

AI機能

動体検知機能

映像内の動きや人を検知することができる機能です。動体検知機能があるカメラは、侵入者や異常事象の発見に有効です。例えば、AXIS「Video Motion Detection」やVIVOTEK「スマートモーション検知」などが挙げられます。


顔認識機能

顔認識機能があるネットワークカメラは、入退室管理や犯人捜査などに有効です。例えば、VIVOTEKのFD9387-FR-v2はカメラ単体で顔認証が可能なドーム型カメラです。

詳細はこちら

顔認証カメラ VIVOTEK FD9387-FR-v2
▼弊社取り扱いの顔認識カメラシステムはこちら
顔認識システム Sense Nebula

車両ナンバー認識機能

車両ナンバー認識機能があるネットワークは、施設で出入口や駐車場などで活用できます。例えば、VIVOTEKのIP9165-LPR-v2 Kitはカメラ単体で車両ナンバー認識が可能な点に加え、赤外線投光器もセットになったコストパフォーマンスが高い製品です。
車両ナンバー認識ゲート

▼車両ナンバー認識システムページはこちら
車両ナンバー認識バナー

その他にも人検出や人数カウント、侵入検知やうろつき検知、車両検出をカメラ単体で行うことができる機能を持つカメラがあります。各メーカーはさまざまな機能をネットワークカメラに搭載しています。選ぶ際には、自分のニーズや予算に合わせて最適な製品を探すことが大切です。

ポイント3:耐久性

耐久性は、監視カメラが屋内や屋外などさまざまな環境で使用されるため、重要な要因です。カメラの防水や防塵(IP規格)、耐衝撃(IK規格)や耐熱などの性能によって表されます。
耐久性のあるカメラは、寿命や安全性を向上のメリットがあるとともに、価格も高くなります。使用可能温度範囲が狭く設定されているカメラやIP・IK規格の等級が低かったり、記載がないカメラは耐久性に向いてないことが多いです。

大手メーカーでは自社のカメラの耐久性試験を行っているので、一般的には安価なメーカーよりもはるかに故障率が低くなります。また、ケーシングの素材も耐久性に影響があります。プラスチックやアルミニウム、ステンレス等、機種によりケーシングは様々ですが、一般的にステンレスなどの耐久性が高い素材になると価格も上昇します。

塩害仕様のカメラや防爆仕様のカメラも、通常のカメラより堅牢な仕様で耐久性が高いため、高額になるケースが多いです。 例えば、AXISのQ6128-EはIP66等級の防水・防塵性能とIK08等級の耐衝撃性能を備えた屋外用ネットワークカメラです。また、VIVOTEKのFD9368-HTVは-50℃から+60℃までの広い温度範囲で動作する耐熱性能を備えた屋外用ネットワークカメラです。

▼ネットワークカメラの耐久性についてはこちら
雨に濡れても使えるの?~屋外対応カメラの防塵・防水性能~

AXIS Q6128-E

Q6128-E 画像1

  • 4K解像度
  • アクシスのシャープドームテクノロジー
  • アクシスのスピードドライ機能
  • 最大700°/秒のパン性能
  • 再塗装可能

VIVOTEK FD9368-HTV

VIVOTEK FD9368-HTV

  • 最大解像度1920×1080の30FPS対応
  • 焦点距離2.8~12mmのバリフォーカルレンズ採用
  • 電動式・リモートフォーカス
  • 赤外線(IR)内蔵で夜間監視可能
  • 屋外対応の耐候性IP66(防塵・防水)および耐衝撃IK10規格のハウジング
  • Micro SD/SDHC/SDXCカードスロット内蔵
  • マイク内蔵

製品詳細ページはこちら

ポイント4:メーカー/保守

大手メーカーは長年の実績や技術力、サービス力によって高い評価を得ています。ネットワークカメラの品質や安心感を反映する重要な要素ですが、同時に価格も高くなります。

例えば、AXISはスウェーデンに本社を置く世界最大のネットワークカメラメーカーであり、品質や技術力に定評があります。VIVOTEKは台湾に本社を置くアジア最大のネットワークカメラメーカーであり、コストパフォーマンスに優れています。i-PROはパナソニックグループの一員であり、日本製の信頼性やサービス力に強みがあります。

大手メーカーでは製品保証を5年や3年としているケースが多く、お問い合わせサポートや修理/交換対応等を受けることができますが、ネットで購入できる安価な製品の場合は十分な保証サービスを受けられないケースもあります。

もちろん価格の安いメーカーのカメラにおいても1年間や3年間以内で故障が発生した場合に無償で交換してくれる場合もありますが、大手メーカー製品と比較すると満足な保守サポートを受けられないケースが多いですので慎重に選びましょう。

まとめ

監視カメラの価格差は主に画質、機能、耐久性、メーカー/保守という4つの要因によって決まります。これらの要因はそれぞれ重みが異なりますが、一般的には画質と機能が最も重要であると言えます。カメラを選ぶ際には、ニーズや予算に合わせて最適な製品を選定することが大切です。

監視カメラの価格差は以下の4つの要因によって決まります。

  • ポイント1. 画質
  • ポイント2. 機能
  • ポイント3. 耐久性
  • ポイント4. メーカー/保守

それぞれ価格への反映度は異なりますが、一般的には画質と機能が最も価格に影響を与えると言えます。カメラを選ぶ際には、ニーズや予算に合わせて最適な製品を選定することが大切です。

システム・ケイでは、各カメラメーカーのエントリーモデルからハイエンドモデルまで取り扱いがございます。使用環境や用途に応じて最適なカメラの選定も可能ですので、カメラをお探しの方や選定でお悩みの方、より詳しく内容を聞きたいという方は、ぜひシステム・ケイまでお問合せください。

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