サーマルカメラを使った火災検知について
最近、製品を運搬中の船舶における火災事故の話を耳にしました。
技術の向上による運搬船の大型化やEV車や新燃料の台頭による運搬船の新たな火災対策基準の必要性が叫ばれており、国際機関(IMO)において協議されています。
旅客フェリーの火災安全対策を国際海事機関(IMO)で検討することが決定
そこで、カメラを用いた火災対策が挙がっています。今回はコロナ対策として非接触の体温測定として用いられ、皆さんが目にする機会の増えたサーマルカメラの火災対策への使い方についてご紹介します。
サーマルカメラとは?
火災対策についてご紹介する前に、そもそもサーマルカメラとは何者なのかというお話しをします。
原理としてサーマルカメラは赤外線を検知するカメラです。赤外線とは私たちが普段見ている可視光とは異なる波長の光であり、地球上の全ての物体が発している光です。
この赤外線は物体の温度が高いほどより強いエネルギーを発しています。
つまり、サーマルカメラは検知した赤外線のエネルギーの強さから対象物の温度を測定しているということです。
サーマルカメラについて
火災検知で火災の早期発見と防止に
火災対策として皆さんが思い浮かべるものはなんでしょうか?
煙検知器や消火器を連想する人が多いのではないでしょうか。
これらとサーマルカメラを使った火災検知はどう違うのでしょうか。
主に出火は対象物の温度が上昇し、発生することが多いです。
サーマルカメラを使うことによって、対象物の温度変化を発する赤外線の変化を検知できます。
これによって出火の危険性がある温度に達した場合にアラートで通知し、出火の早期発見および防止が可能になります。
この温度変化による早期発見は、従来出火後の対応だった火災対策とは違い、火災を未然に防ぐ対策としての価値を生み出します。
また、サーマルカメラであれば、火事が発生した時に煙等で視界が悪い状態であっても、赤外線の検知により逃げ遅れた人がいないかを確認することができるというのも利点となります。
まとめ
- サーマルカメラによって火災が発生する前の検知が可能になる。
- 火事が発生した時に逃げ遅れた人を確認することができる。
サーマルカメラを使った火災対策は船舶だけでなく出火が起こることが許されない工業機械等、導入に向いたシーンはたくさんあるので気になった方はぜひ弊社にお問い合わせください。