撮像素子(イメージセンサー)とは?役割と要素の詳細について

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基礎知識 —

こんにちは!
ネットワークカメラとIP監視カメラシステムのシステム・ケイです。

撮像素子(さつぞうそし)という言葉を聞いたことがありますか?
デジタルカメラやスマートフォンで写真や映像を撮影する時に、画像データを作る大事な部品です。
この撮像素子はネットワークカメラにも内蔵されています。

今回は撮像素子の役割と、各要素の詳細について説明します。

撮像素子(イメージセンサー)とは?役割と要素の詳細について?

撮像素子とは?

デジタルカメラにおいて、「撮影」とは、レンズから入った被写体の光をデジタル画像データに変換して出力することを指します。
撮像素子とは、このように光を電気信号に変換する部品のことです。
従来のフィルムカメラで言うと、フィルムの役割です。

撮像素子は「イメージセンサー」とも呼ばれ、現在のデジタルカメラのほぼ全てに内蔵されています。
撮像素子の性能が撮影画像の良し悪しに直結する、重要な部品でもあります。

変換の流れは、
光を電気の情報に変換し蓄積→その電気の情報を転送→電気の情報を電気信号に変換
となっています。

撮像素子の確認方法

ネットワークカメラの仕様書には「撮像素子」について、例えばこのように表記されます。

「撮像素子:1/4 プログレッシブスキャン RGB CMOS」

それぞれの項目が示す要素は以下の通りです。

  • 「1/4」・・・・・・・・・・・・・撮像素子サイズ
  • 「プログレッシブスキャン」・・・走査方式
  • 「RGB」・・・・・・・・・・・・カラーフィルター
  • 「CMOS」・・・・・・・・・・・イメージセンサー

それぞれの要素について解説していきます。

撮像素子サイズ

撮像素子部分そのものの大きさのことです。
「イメージセンサーサイズ」「画像センサーサイズ」とも言います。

撮像素子のサイズが大きいほど光を多く集めて色を詳細に表現することができ、薄暗い中でもきれいに撮影することが可能です。
撮像素子サイズとレンズの大きさで画像の画質が決まる、重要な要素です。

サイズの種類と使用用途は以下のようなものがあります。

(画像)

1/2.3型センサー

サイズ 約6.2mm x 4.7mm
使用されるデバイス 一般的なコンパクトデジタルカメラ、アクションカメラ、一部のスマートフォン
特長 小型で低コスト、日常やアクティビティ用の写真撮影に適している

1/1.7型センサー

サイズ 7.5mm x 5.6mm
使用されるデバイス コンパクトデジタルカメラ
特長 1/2.3型センサーと比べて一回り大きく、高画質の画像を得られる

1インチ型センサー

サイズ 約13.2mm x 8.8mm
使用されるデバイス 高価なコンパクトデジタルカメラ、一部のミラーレスカメラ
特長 コンパクトながら高画質、動画撮影性能が高い

マイクロフォーサーズ

サイズ 約17.3mm x 13.0mm
使用されるデバイス パナソニックやオリンパスのミラーレスカメラ
特長 より小型で軽量、撮影者が持ち運びやすいカメラを実現

APS-Cセンサー

サイズ 約22.2mm x 14.8mm (キヤノン用)
23.5mm x 15.6mm(ニコン、ソニー、フジフイルムなど)
使用されるデバイス エントリーモデルから中級モデルのデジタル一眼レフカメラ、ミラーレスカメラ
特長 フルフレームセンサーに比べて小型・軽量、高画質を維持しつつも比較的手頃な価格

フルサイズセンサー

サイズ 約36mm x 24mm
使用されるデバイス プロ及び高級アマチュア向けデジタル一眼レフカメラ、ミラーレスカメラ
特長 高画質で背景がぼけやすい、低照度環境でも高い性能を発揮

ネットワークカメラのイメージセンサー

ネットワークカメラの目的は、一般的に常時監視や特定のエリアのセキュリティ確保であるため、フルフレームやAPS-Cのような大きなセンサーは、そのサイズやコストの面から考えると実用的ではありません。そのため、以下のような比較的小さなセンサーサイズが選ばれることが多いです。

1/2.3インチ型

このサイズは消費者向けデジタルカメラやアクションカメラに多く用いられるサイズですが、エントリーレベルまたは一部の中級モデルのネットワークカメラにも見られます。小型でありながら比較的高い解像度を提供できるため、室内監視や一般的なセキュリティ用途に適しています。

1/3インチ型

ネットワークカメラでよく見られるサイズの一つです。適度な解像度と良好な低照度性能のバランスがとれており、非常に一般的な用途にマッチします。室内外を問わず、広範囲のモニタリング用途で採用されています。

1/4インチ型

特に小型のネットワークカメラや低コストモデルに採用されることがあります。サイズが小さいため、低照度時の性能は限られますが、価格を抑える必要がある場合やスペースに制限のある環境に適しています。

走査方式

「走査方式」とはデジタルデータを画像としてディスプレイに表示する方法、または撮像素子が画像データをキャプチャする方法のことです。

画像をモニターに表示・記録する仕組みは、

①一枚の画像を水平方向に分割
②分割したパーツを上から下へ一つずつ伝送する
③受信したモニター側がその画像を再構築して表示

といった流れです。
走査方式には以下2つのパターンがあります。

インターレース方式

1枚の画像を水平方向に細かく分割し、奇数段目・偶数段目の2回に分けて転送表示する方式です。

2枚の画像を交互に表示することで、容量を抑えつつ滑らかな動きを表現できますが、走査線を分けて送るため、動きの激しいものの撮影は、画像がちらついたり乱れやすくなる欠点があります。

プログレッシブ(プログレッシブスキャン)方式

画像が上から下までまとめて1回で転送表示する方式です。
一枚の画像を構成する走査線がインターレース方式の2倍あり、画像の容量は大きくなってしまいますが、解像度の面で優れています。

スポーツのゴール写真など「決定的瞬間をブレずに撮影したい」ならプログレッシブ方式の方が向いています。

走査方式の違い

カラーフィルター

RGBフィルターは光の中から赤・緑・青の三原色を取り出し、鮮やかな色の映像を作製します。
RGBは色の再現性が高く、カラーフィルターではRGBが一般的です。

CMYK補色系フィルターもありますが、4色データとなり感度と解像度が高くなります。
解像度が高い方が画質が良くなる傾向にあるものの、近年RGBでも解像度を高める技術が使われていますので、趣味や家族の成長記録などであればRGB系でも十分でしょう。

イメージセンサー

ここで言うイメージセンサーとは、画像データの出力方法の種類です。
CMOSとCCDという2つの主要なイメージセンサー技術があります。

CMOSセンサー

CMOSはComplementary Metal Oxide Semiconductorの略で、日本語に訳すと相補型金属酸化膜半導体という意味です。
各々のピクセルが独立して電荷の増幅やデジタル変換をする回路を持ち、それぞれがデジタル信号としてデータを呼び出し、出力します。

信号増幅アンプをそれぞれが通すためノイズは発生しやすく、電気への変換効率も低いといったデメリットを抱えていますが、ノイズキャンセラーの性能向上と転送速度の速さ、消費電力の小ささ、飽和容量の大きさから、現在のデジタルカメラスマートフォン、ネットワークカメラではCMOSセンサーが主流となっています。

CCDセンサー

CCDはCharge Coupled Deviceの略で、日本語に訳すと電荷結合素子という意味です。以前はCCDセンサーがデジタルカメラにおいては主流でした。
各々のピクセルの電荷は隣接するピクセルに一斉に転送され、これを繰り返すことで、バケツリレーのように順次外部に信号を出力します。

メリットとしては、増幅率が一定のためノイズが少なく、画質の面で優れており、デジタル一眼レフカメラなどではCCDが主流となっています。
逆にデメリットは、CMOSと比べると電荷の転送が遅い点や、消費電力が高く撮影する光の強さによって光源を中心とした線状ノイズが発生する「スミア」や、強い光が当たる部分の周辺の画素が白く滲む「ブルーミング」といった現象が発生する点です。

まとめ

  • 撮像素子は従来のカメラで言うとフィルムの役割。画像データを作る上で重要な部品。
  • 撮像素子によって出来上がる写真の画質に大きく影響する。
  • カメラの仕様書から撮像素子について確認可能。

撮像素子について、理解は深まりましたでしょうか?
カメラ選びなどでお困りのことがありましたら、システム・ケイまでお気軽にご相談ください!

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