防犯カメラで夜間の撮影を行うには

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基礎知識 —

夜間に自宅や店舗の周辺が暗く、防犯カメラを設置していても「暗くてよく見えない」「肝心な場面がよく映っていなかった」という経験はないでしょうか。

また、山や森で夜行性の動物を観察したい場合や、夜間工事・インフラ点検の現場など、暗所でも状況を確認したいケースはありませんか?
このような環境で活用できるのが、夜間でも鮮明な映像を記録できるカメラです。

カメラによって、赤外線を利用して撮影するタイプや、わずかな光を利用してカラー撮影するタイプ、物体から放射される熱を捉えるサーマルカメラなど、特徴が異なります。
今回は、夜間対応の防犯カメラの種類や特徴、選び方、設置時のポイントについて解説していきます。

赤外線カメラの画像

夜間対応防犯カメラの種類

夜間対応の防犯カメラには、赤外線カメラ、暗視カメラ(高感度カメラ)、サーマルカメラなどがあります。
それぞれ撮影の仕組みや得意とする環境が異なるため、設置場所や目的に応じて選ぶことが重要です。
夜間や照明のない場所の監視に適しています。

赤外線カメラ

赤外線カメラは、赤外線を利用して暗い場所でも撮影できるカメラです。
赤外線LEDから照射した赤外線の反射光を捉えることで、周囲に明かりがない環境でも映像を記録できます。

赤外線カメラで撮影した写真
赤外線カメラで撮影した写真

赤外線を利用した撮影の詳しい仕組みやメリット・デメリットについては、以下の記事で詳しく解説しています。

▼「赤外線カメラ」について詳しくはこちら!
赤外線カメラとは?仕組みやメリットについて解説

暗視カメラ(高感度カメラ)

暗視カメラ(高感度カメラ)は、わずかな光を利用して暗い場所を撮影するカメラです。
高感度な撮像素子(CMOSなど)を搭載することで、街灯や月明かりなどの少ない光でも映像を撮影できます。

赤外線カメラとは異なり、十分な光量があれば夜間でもカラー撮影できることが特長です。
人物の服装や車両の色など、色情報を確認したい場合に適しています。

ただし、光がまったくない完全な暗闇では撮影が難しいため、設置場所の明るさを確認する必要があります。
また、カメラの性能やレンズによって撮影できる距離や暗所での識別性能が異なるため、用途に合った製品を選びましょう。

サーマルカメラ

サーマルカメラは、物体から放射される赤外線を検知し、表面温度の違いを画像として表示するカメラです。
光がない暗闇でも対象物の温度を捉えられるため、夜間の監視や設備の異常発熱の検知など、さまざまな用途で活用されています。

サーマルカメラの仕組みや特長、活用シーンについては、以下の記事で詳しく解説しています。

▼「サーマルカメラ」について詳しくはこちら!
サーマルカメラとは?仕組み・特長・活用シーンをわかりやすく解説

3種の比較表

項目 赤外線カメラ 暗視カメラ(高感度カメラ) サーマルカメラ
仕組み 近赤外線LEDを照射して撮影 わずかな光を利用して撮影 物体から放出される遠赤外線を検知
完全な暗闇 対応可能 対応不可(最低限の光が必要) 対応可能
映像 白黒映像が中心 白黒/カラータイプもあり 熱分布画像・顔の識別は苦手
霧や煙 影響を受ける 影響を受ける 影響を受けにくい
得意 安価に暗闇を監視 顔や服装の識別 人物や動物の検知、遠距離監視など

夜間カラー撮影のメリットと人物・車両の識別

監視カメラ 車識別

夜間の防犯カメラは、周囲の明るさや設置環境に応じて、さまざまな撮影方法が選択されます。
赤外線カメラは、赤外線を利用して、光がない環境でも監視できることが特長です。

一方、暗視カメラは、わずかな光を利用してカラー映像を撮影できるため、人物の服装や車両などを識別する際に役立ちます。

例えば、夜間に人物が建物の周辺を通過した場合、白黒映像では服装の色や模様などを確認しにくいことがあります。
カラー撮影に対応した暗視カメラであれば、「濃い青色のジャケットを着ている」「赤色の車両が通過した」など、映像からより多くの情報を確認できる可能性があります。

このように、夜間撮影では「暗闇でも撮影できること」だけでなく、撮影した映像から何を確認したいのかという目的も重要です。
完全な暗闇で広範囲を撮影したい場合は赤外線カメラ、夜間でも人物や車両の色などを確認したい場合はカラー撮影に対応した暗視カメラなど、環境や用途に応じて選びましょう。

環境・予算に合わせた夜間対応防犯カメラの選び方

夜間対応の防犯カメラを選ぶ際は、価格だけではなく、設置する環境や撮影したい対象に必要な性能を確認することが大切です。
防犯カメラは、価格が高いほど夜間の撮影性能が高いとは限りません。
価格帯によって、解像度や暗い場所での撮影機能、赤外線機能、カラー撮影への対応など、搭載されている機能や性能に違いがあります。

例えば、玄関や出入り口など比較的近い距離の人物を確認したい場合と、駐車場や敷地内など広い範囲を撮影したい場合では、必要な性能が異なります。
また、完全な暗闇で撮影したいのか、周囲に街灯などの明かりがある環境でカラー映像を残したいのかによっても、適したカメラは変わります。

そのため、カメラを選ぶ際は「どこに設置するのか」「何を撮影したいのか」「どの程度まで確認したいのか」を明確にしたうえで、必要な性能を満たす製品を選びましょう。
必要以上に高性能なカメラを選ぶのではなく、設置環境や用途に合った性能と価格のバランスを考えることが、長期的な費用対効果につながります。

ルクスから見る夜間カメラの選び方

カメラを選ぶ際は、「最低被写体照度(ルクス)」を確認しましょう。

最低被写体照度とは、カメラが被写体を撮影するために必要な最低限の明るさを示す数値で、単位には「lux(ルクス、lx)」が使われます。
この数字が小さいほど、暗い環境でも撮影できる性能を持つことを示します。

例えば、最低被写体照度が0.1ルクスのカメラは、0.1ルクス程度の明るさがある環境で撮影できる性能を持つことを示しています。一方、赤外線カメラでは、赤外線の照明をすることで0ルクスで撮影することができます。

夜間に人物の顔や車両などを識別したい場合は、設置場所の明るさだけでなく、必要な識別性能を満たしているかを確認することが重要です。
完全な暗闇での監視が必要な場合は、0ルクスに対応した赤外線カメラなども選択肢になります。

▼「最低被写体照度(ルクス)」について詳しくはこちら!
最低照度(最低被写体照度)とは?カメラと照度の関係性を知りましょう!

夜間カメラ設置時のポイント

カメラ設置

夜間に防犯カメラを設置するときは、カメラの性能だけでなく、設置する場所や向き、周囲の環境も確認することが大切です。

特に夜間は、赤外線の反射や周囲の明るさなどによって、昼間とは映像の見え方が変わることがあります。
ここでは、夜間に防犯カメラを設置するときに確認したい5つのポイントを紹介します。

照射距離と撮影範囲を確認する

赤外線カメラを選ぶときは、赤外線照射距離(IR距離)を確認しましょう。

赤外線照射距離とは、カメラから赤外線を照らせる距離の目安です。
ただし、カタログなどに記載されている赤外線照射距離が、そのまま人物や車両をはっきり確認できる距離になるとは限りません。
実際の映像の映像の見え方は、周囲の明るさや撮影する対象物、カメラのレンズ、設定環境などによって変わります。

そのため、赤外線照射距離の数値だけを基準にせず、実際に人物や車両をどの程度の距離から確認したいのかを考えてカメラを選ぶことが重要です。
また、人物の顔や車両のナンバープレートなどを確認したい場合は、撮影する範囲を広げすぎると、対象が小さく映ってしまうことがあります。
撮影したい対象が十分な大きさで映るよう、カメラの位置や向き、レンズの画角なども確認しましょう。

設置する高さと角度を調整する

防犯カメラは設置する高さや向きによって人物の映り方が変わります。

例えば、カメラを高い場所に設置しすぎると、人物の顔ではなく頭の上が中心に映ってしまうことがあります。

一方で、低すぎる場所に設置すると、カメラにいたずらをされたり、壊されたりする可能性があります。
人物の顔や車両のナンバープレートなどを確認したい場合は、実際の映像を確認しながら、カメラの高さや角度を調整しましょう。

また、カメラの撮影範囲は広ければよいとは限りません。
防犯カメラを設置する目的を決めたうえで、必要な場所がしっかり映るように設置することが大切です。

フレームレートを適切に設定する

フレームレートとは、1秒間に何枚の画像を撮影するかを表す数値です。fps(フレーム・パー・セカンド)という単位で表します。例えば、10fpsなら1秒間に10枚、30fpsなら1秒間に30枚の画像を撮影します。フレームレートが高いほど、動いている人物や車両を滑らかに撮影できます。

特に動きの速い対象を撮影する場合は、高いフレームレートが適しています。ただし、フレームレートは映像の滑らかさに関係するものであり、fpsを高くしたしただけで夜間の映像が明るくなったり、鮮明になったりするわけではありません。

夜間の撮影では、カメラの性能や最低被写体照度(暗い場所で撮影するために必要な明るさ)、赤外線照明なども映像の見え方に影響します。
必要なフレームレートは撮影する場所や対象によって異なります。施設や部屋の利用状況など、動きの少ない対象を確認する場合は、比較的低いフレームレートでも対応できる場合があります。

一方、車両の出入りが多い場所や、動きの速い対象を撮影する場合は、高めのフレームレートが適しています。
また、フレームレートを高くすると、保存するデータ量が増える場合があります。
そのため、フレームレートは用途や撮影対象、必要な映像の滑らかさなどを考慮して選択することが重症です。

▼フレームレートについて詳しくはこちら!
防犯カメラのフレームレート。最適な設定値や注意すべき点は?

プライバシーへの配慮

防犯カメラを設置するときは、必要のない場所まで撮影しないようにすることも重要です。

例えば、隣の住宅の窓や玄関、敷地内などが映り込まないように、カメラの位置や角度を調整しましょう。
防犯カメラは設置する目的を決めたうえで、その目的に必要な範囲を撮影することが基本です。

また、カメラにプライバシーマスキング機能が搭載されている場合は、特定の場所を隠して撮影できます。
カメラの向きを変えるだけでは必要のない場所が映ってしまう場合などに活用できます。
さらに、防犯カメラを設置していることが分かるように、「防犯カメラ作動中」などの表示を見やすい場所に掲示することも大切です。

赤外線カメラ・暗視カメラで犯人を捕らえた映像

▼防犯カメラとプライバシーについて詳しくはこちら!
防犯カメラ設置時の注意点!法律違反になることも!?~
▼プライバシーマスキング機能について詳しくはこちら!
ネットワークカメラのプライバシーマスク機能 ~撮影した特定箇所のマスキング~

屋外のトラブルと回避策

屋外に防犯カメラを設置すると、赤外線の反射や雨や霧などによって映像が見えにくくなることがあります。
特に赤外線カメラでは、カメラの近くに白い壁やガラスなど、赤外線が反射しやすいものがあると、映像が白くぼやける場合があります。

また、レンズの前に蜘蛛の巣ができた場合も、赤外線が反射して映像に影響することがあります。
窓ガラス越しに撮影する場合も、赤外線がガラスに反射して映像が見えにくくなることがあるため、できるだけ窓越しの撮影は避けましょう。
やむを得ず窓ガラス越しに撮影する場合は、カメラの角度を調整するなどの対策が必要です。
このような赤外線の反射によるトラブルを防ぐには、カメラの周囲に赤外線が反射しやすいものがないか確認するとともに、レンズに蜘蛛の巣や汚れが付着していないかを定期的に確認・清掃することが大切です。

また、屋外では雨や雪などによってレンズに水滴や汚れが付着し、映像が白くぼんやりすることがあります。

さらに、雨の後や寒暖差のある時期には、結露や湿気によって映像が見えにくくなる場合もあります。
屋外に設置する場合は、設置環境の天候や周囲の状況も考慮してカメラを選び、定期的にレンズの状態を確認することが重要です。

▼屋外用防犯カメラの設置について詳しくはこちら!
屋外用防犯カメラの選び方 設置前に確認すべきポイントを解説!

防水防塵・耐環境性能

屋外にカメラを設置する際は、カメラの防水防塵・耐環境性能についても確認しておくと安心です。
防水・防塵性能は、IP規格によって確認できます。
IP規格とは、機器が水やほこりなどの侵入からどの程度保護されているかを示す規格です。
屋外で利用するカメラはIP66以上であれば安心することができます。
また、海岸付近などでは、塩分を含んだ風によってカメラが錆びやすくなる塩害にも注意が必要です。
寒冷地では、低温環境に対応した製品かどうかも確認しましょう。

乾燥
▼防水・防塵の基準であるIP規格について詳しくはこちら!
雨に強い防犯カメラとは?防水・防塵・耐衝撃性能の選び方

赤外線カメラ・暗視カメラ以外でも夜間撮影したい場合

人感センサーライト付きの防犯カメラ

人感センサーライト付きの防犯カメラは、人や車などの動きを検知するとライトを点灯させ、周囲を明るくして撮影できるカメラです。
PIR(パッシブ赤外線)センサーを搭載した製品では、人の動きなどを検知してライトを点灯させることができます。
周囲を明るくすることで、夜間でも人物や車両を確認しやすくなります。
製品によっては、ライトで周囲を照らすことでカラー映像を撮影できるものもあります。
主に、玄関や駐車場、勝手口、庭の出入口など、夜間に人や車が通る場所で活用されています。
人や車の動きを検知してライトが点灯するため、周囲を照らすだけでなく、不審者への威嚇につながることも期待できます。
また、玄関や駐車場では、夜間の帰宅時や車の乗り降りの際に周囲を照らす照明としても利用できます。
防犯対策と夜間の照明を兼ねて利用できることが特長です。

完全な暗闇も撮影可能な「赤外線カメラ」は夜間監視の強い味方

おすすめカメラ

完全な暗闇での夜間撮影には、赤外線照射を搭載した防犯カメラが適しています。
ここでは、屋外での夜間監視に対応した「AXIS P1475-LE」と「FD9368-HTV」を紹介します。

AXIS P1475-LE

P1475-LE

 
AXIS P1475-LEは、Axis Communicationsが提供する2メガピクセルのバレット型ネットワークカメラです。
赤外線照明機能「OptimizedIR」を搭載しており、周囲に光がない暗闇でも最大50mの監視に対応しています。
また、最低照度はカラーで0.06ルクス、白黒では0ルクスに対応しており、赤外線照明を使用することで完全な暗闇でも撮影できます。
レンズは3.1~9mmのバリフォーカルレンズを採用し、広い範囲を撮影したい場合から、ある程度対象を絞って撮影したい場合まで、設置環境に合わせて角度を調整できます。
屋外での利用を想定した耐環境性能も特徴です。
IP66・IP67の防水・防塵性能とIK10の耐衝撃性能に対応し、-40℃~60℃の動作温度にも対応しています。
そのため、駐車場や建物の外周、施設の出入口など、屋外の夜間監視に適したカメラです。
 

詳細ページはこちら

FD9368-HTV

FD9368-HTV

 
FD9368-HTVは、Axis Communicationsが提供する2メガピクセルのバレット型ネットワークカメラです。
内蔵IRイルミネーターとSmart IRを搭載しており、最大30mまで赤外線を照射できます。
IR-LEDを使用した場合は0ルクスにも対応しているため、光がほとんどない環境での夜間監視にも利用できます。
レンズには2.8~12mmの電動バリフォーカルレンズを採用しており、遠隔からフォーカスやズームを調整できるため、設置後に撮影範囲を調整しやすいことも特長です。
また、WDR Proを搭載しているため、明るい場所と暗い場所が同時に映るような環境でも、映像の視認性を確保しやすくなっています。最大30fpsの映像に対応し、夜間の人物や車両などの監視にも利用できます。
屋外での利用を想定した耐環境性能も特徴で、IP66・IP67の防水・防塵性能とIK10の耐衝撃性能に対応しています。
駐車場や建物の周辺、施設の出入口など、雨や風などの影響を受ける場所で夜間監視を行いたい場合に適したカメラです。

 

詳細ページはこちら

まとめ

  • 夜間対応の防犯カメラには、赤外線カメラ・暗視カメラ(高感度カメラ)・サーマルカメラなどがあり、それぞれ撮影できる環境や適した用途が異なります。
  • 完全な暗闇を撮影したい場合は赤外線カメラ、夜間でも人物や車両の色を確認したい場合はカラー撮影に対応したカメラなど、目的に合わせて選ぶことが重要です。
  • カメラ選びでは、最低被写体照度(ルクス)や赤外線照射距離、撮影範囲などを確認しましょう。
  • 設置時は、カメラの高さや角度、フレームレート、プライバシー、雨や霧などの周囲の環境にも注意が必要です。
  • 夜間の玄関や駐車場などでは、人感センサーライト付きの防犯カメラを活用する方法があります。

夜間対応防犯カメラの導入をお考えの方は、システム・ケイまでお気軽にご相談ください!

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