防犯カメラのフレームレート。最適な設定値や注意すべき点は?
こんにちは!
ネットワークカメラとIP監視カメラシステムのシステム・ケイです。
防犯監視カメラやデジタルカメラなどに登場する設定「フレームレート」ってご存知ですか?
滑らかな映像を撮影するために必要な設定です。
今回はこのフレームレートについてのお話。
フレームレート設定の必要性や、用途別の設定基準についてお話します。
防犯カメラのフレームレートとは?
フレームレートとは、1秒間に撮影できる静止画の「コマ数」のことを指します。
単位はfps。
1秒当たり1コマの静止画で構成される映像は1fps、1秒当たり30コマの静止画で構成されている映像は30fpsとなります。
動画は複数の静止画を繋ぎ合わせて動く映像を作っています。
そのため、1秒当たりの静止画の枚数が多ければ滑らかな動画になり、枚数が少なければカクカクとした動きの動画になるのです。
パラパラ漫画を想像してもらえるとわかりやすいかもしれませんね!
防犯カメラのフレームレートの最適数値は?
フレームレート設定の最適な数値は撮影対象物や映像の用途などによって異なります。
人間の目で見えている映像はおよそ30fps程度と言われ、防犯監視カメラやデジタルカメラで撮影した映像も30fps程度であれば自然な動きの映像に見えるようです。
現在よく目にする場面では、テレビの映像がおよそ30fps、映画の映像がおよそ24fps、ゲームの映像がおよそ60fps程度と言われています。
防犯カメラのフレームレートに関しては、動画として一連の動きを確認したい場合は24~30fps程度の設定を用いる場合もありますが、一般的には3~5fps程度に設定されることが多いです。
例えば、施設や部屋の利用状況(在室の有無)を確認したり、万が一の事件などの時に一時停止画像の確認をするためなどの防犯カメラであれば3~5fps程度のフレームレートとの設定で十分なのです。
逆に、高いフレームレート設定が必要な場面とは、駐車場や交通監視など対象物が高速で動いている場合や、撮影範囲が狭くて対象物がすぐにフレームアウトしてしまうような場合、または歩き方や動作の癖などから人物の判定を行う「歩様判定」などを行いたいような場合に限られます。
フレームレートについては弊社姉妹サイトNVRの以下の記事でも詳しくご紹介しています。
フレームレート(FPS)って何?どのくらいの値にすればいいの?
フレームレート(FPS)による動画の違いは?
防犯カメラのフレームレート設定の注意点
「そうは言ってもカクカクの映像よりは滑らかな映像の方が良いのでは?」「いざと言うときに詳細に確認できるように、少しでもフレームレートを高く設定しておいた方がいいのではないか?」と思う方もいるかもしれません。
しかし、フレームレートは高ければ高いほど良いとは限りません。
高いフレームレート設定で映像を撮影するということは、同じ時間の録画映像に対して多い情報量が含まれるということ。
撮影データのサイズが大きくなってしまいます。
30fpsの映像と60fpsの映像では、単純にデータ量はおよそ2倍!
HDDなどの記録媒体の容量も圧迫してしまいます。
また、ネットワークカメラの場合は撮影した映像をネットワークに乗せて配信するので、データサイズが回線の通信速度を上回ってしまう可能性もあります。
そうなると通信や配信にも支障をきたしてしまいかねません。
確認に必要な画質を保ちつつ、記録媒体の容量や通信に支障をきたさないデータサイズにするために、フレームレートを落とすという対応を行っているのです。
また、高いフレームレート設定だと滑らかな映像を撮影できるからといって、高速に動く対象物を必ずしもぶれなく撮影できるというわけではありません。
動画の鮮明さやブレの有無は、フレームレートだけではなくカメラの露出性能にも左右されます。
防犯カメラの目的や設置場所に合わせ、解像度や動画の質、データ容量などをみながら用途に合わせたフレームレート設定をおすすめします。
まとめ
- フレームレート(fps)とは、1秒間に何コマの静止画を撮影できるかという設定のこと。フレームレート設定が高いと滑らかな映像、低いとカクカクした映像になります。
- 人間の目で見ている映像は30fps程度。テレビの映像は30fpsで自然に見えますが、防犯カメラに関してはそこまでのfpsが必要とは限りません。一時停止画像の確認が中心であれば3~5fps程度で十分です。
- フレームレートが高ければ高いほど良いとは限りません。映像は滑らかにはなりますが、その分データサイズが大きくなり、記録領域を圧迫したり、ネットワーク上での通信に支障をきたしたりする可能性があります。fpsが高ければ映像のブレがないとも限らないため、防犯監視カメラのfpsは必要な用途に合わせた設定で運用しましょう。