海岸・沿岸エリアの監視カメラ選び方|塩害対策の3つのポイント
海沿いや港湾など、潮風が吹き付ける環境に監視カメラを設置する際、「塩害への対策」を意識していますか?
沿岸エリアでは、潮風に含まれる塩分が機器の腐食を引き起こす「塩害」が大きなリスクとなります。
一般的な屋外カメラをそのまま設置してしまうと、短期間で故障・映像劣化が起きてしまうケースも珍しくありません。
海沿いや港湾など、潮風が吹き付ける環境では、監視カメラは塩害の影響を受けやすくなります。
そこで今回は、塩害に強いカメラや、長く安定して使うための工夫をご紹介いたします。

目次
塩害とは
塩害とは、海から飛来する「塩分(塩化ナトリウム)」が金属や電子機器などに付着し、腐食やサビ、劣化を引き起こす現象のことです。
特に海岸から数km圏内の地域では、潮風に含まれる微細な塩分が建物や設備に蓄積しやすく、長期間の使用で大きな影響を及ぼします。
塩害は金属部品の腐食だけでなく、電子回路のショートや光学部の曇りといったトラブルの原因にもなるため、屋外設置機器にとって大きなリスク要因となります。
なぜカメラに塩害対策が必要なのか
屋外に設置される監視カメラは、雨や風、気温の変化など、設置場所の条件によってさまざまな外的影響を受けます。
その中でも、沿岸部や港湾、リゾート地などの海沿いの環境では、潮風に含まれる塩分がカメラの金属部品や電子回路に影響しやすく、塩害が発生しやすい点に注意が必要です。
カメラ筐体の金属部分が腐食すると、ねじや取り付け金具がもろくなったり、筐体の接合部から水が侵入して故障を引き起こすことがあります。
また、レンズや、カメラ本体を保護するカバーであるハウジングの劣化が起こると、映像の鮮明さが失われ、監視性能が大幅に低下する可能性もあります。
塩害によるトラブルは一度発生すると修理コストが高くつくだけでなく、監視が途切れることによるセキュリティリスクも発生します。
そのため、海沿いの屋外にカメラを設置する場合は、設置段階から「塩害に強い設計」のカメラを選ぶことが重要です。

塩害地域の区分
塩害からの距離および地域特性により、地域の区分は以下の4区分に分類されます。
- 岩礁隣接地域
- 重塩害地域
- 塩害地域
- 一般地域
海岸に非常に近く、直接波しぶきが当たる場所を指す、最も塩害リスクが高い地域
一般的に海岸線から500m以内、特に潮風が直接当たる場所を指し、塩分飛来量が非常に多く、建物や金属のサビ・腐食が急速に進む地域
塩害地域は主に海岸から500m〜7,000mの範囲 で潮風の影響が及ぶ地域
上記以外の、塩害の影響が少ない内陸区域。
塩化カルシウムなどの除雪剤には塩分が含まれており、これが金属の腐食を促進するため、使用地域は塩害地域に該当します。
特にトンネル内は除雪剤の影響が閉鎖空間に集中しやすく、より腐食リスクの高い重塩害地域として扱われます。
塩害に強いカメラかどうかは「規格」で分かる
塩害に設置するネットワークカメラは、耐腐食性を示す国際規格への適合が重要な判断基準となります。
代表的な規格には次のようなものがあります。
| 規格 | 何を示す規格か |
|---|---|
| NEMA 4X | 防水・防塵に加えて耐腐食性(塩害)に優れた保護規格 |
| 威圧ISO12944(CM-5) | 腐食環境を分類する規格(海洋・沿岸などの高腐食環境) |
※メーカーによっては、ISO 14993などの複合腐食試験(塩水噴霧・乾燥・湿潤の繰り返し)を採用している場合があります。
塩害に強いカメラを選ぶ3つのポイント
塩害環境で監視カメラを使用する場合は、設置後の劣化や故障を防ぐために、耐食性や防水性に優れたモデルを選ぶことが重要です。
ここでは、カメラを長く安定して使うために必要な「本体素材」・「防水・防塵性能」・「ケーブル・コネクタ部分の対策」の3つのポイントに分けて詳しく解説していきます。
本体の素材
本体の素材は、塩害環境でのカメラ設置において最も重要なポイントのひとつです。
ステンレススチール(特にSUS316など耐海水性タイプ)やアルミニウム合金を採用したカメラは、錆や腐食に強く、長期間の使用でも安定した耐久性を維持できます。
また、塩害特化の防錆コーティングを施したモデルもあり、沿岸部での設置に役立ちます。
防水・防塵性能
IP66やIP67などの防水・防塵性能を持つカメラは、雨や砂塵、湿気の侵入から内部回路を守ることができます。
ただし、IP規格は塩水・塩分への耐性を保証するものではないため、塩害対策には耐塩害性能や防錆コーティングが施されたモデルを選ぶことが重要です。
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ケーブル・コネクタ部分の対策
ケーブル接続部や筐体の開口部は、構造上、外部の物質が入りやすい箇所です。
沿岸部など潮風が吹き付ける環境では、ここから劣化が進行し故障に繋がることがあります。
防水キャップ付きのコネクタや耐塩仕様のケーブルを使用するほか、防水ボックスや耐候性ハウジングを同時に使用することで、劣化や故障リスクを大幅に減らせます。
必要な対策を組み合わせて実施することで、塩害環境でも安定した稼働を維持できます。

塩害対策処理の例
| 部位 | 一般的なカメラ | 塩害に強いカメラ |
|---|---|---|
| カメラカバー | 通常のアルミ合金→腐食可能性あり | ポリマー素材(AXIS、Hikvision) 耐重塩害塗装したアルミ合金(i-Pro) |
| ねじ | 簡易メッキ処理→腐食可能性あり | 耐食処理したステンレス(i-Pro) |
| 取付金具 | 鉄(スチール)、アルミ合金、ステンレス | 耐重塩害塗装した アルミ合金(i-Pro) |
NEMA 4X規格準拠の例
Axisの塩害対応カメラ
AXIS T93F10ハウジング
AXIS T93F10屋外ハウジング は、IP66およびNEMA 4Xに準拠しており、雨やホコリの侵入を防ぎます。
また、IK10準拠の高い耐衝撃性能を備えているため、衝撃や破壊行為からカメラを保護できます。
軽量で腐食に強いプラスチック製のため、屋外でも安心して設置できます。
さらに、ケーブルを壁面取付ブラケット内に収納できる構造になっており、破壊行為や直射日光による劣化対策にも役立ちます。
AXIS M2035-LE バレットカメラ
軽量でコンパクトなため設置しやすく、手頃な価格でAxisの高性能な技術を利用できます。
さらに、赤外線照明を内蔵しているため、暗闇でも目立たず監視が可能です。
ワイドダイナミックレンジ(WDR)に対応しており、明るい場所と暗い場所が混在する環境でも鮮明な映像を撮影できます。
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VIVOTEKの塩害対応カメラ
VIVOTEK FD9389-EHV-V3
雨風や高温・低温などの過酷な天候にも強く、衝撃やいたずらからカメラを守り、さまざまな場所で安定したセキュリティ性能を発揮します 。
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ISO14993準拠の例
i-Pro 耐重塩害モデル
WV-X67300
さらに、最大75m/sの強風下でも安定して動作し、90m/sの暴風でも破損しない高い耐久性を備えています。
動作温度は−50℃〜+65℃と幅広く、寒冷地から高温環境まで対応。
加えて、塩害にも強い設計のため、海沿いなど過酷な屋外環境でも長期間安心して運用できます。
塩害環境でカメラを長持ちさせる運用方法
塩害環境でカメラを長持ちさせるポイントは、「カメラに塩分を蓄積させない」ことです。
海沿いの環境では、常に塩分を含んだ風が吹き付け、金属部の腐食やレンズの曇りなどが徐々に進行します。
そのため、定期的な清掃と点検が重要です。
清掃時は、真水で優しく洗い流すことで、油分や塩分を効果的に除去できます。
コネクタ部やパッキン部の劣化、錆の発生なども定期点検し、必要に応じて交換を行うことが大切です。
他にも、潮風が直撃しない位置に設置したり、防塩カバーやサンシェードを併用したりと設置時の工夫で塩害の影響を大きく軽減することも可能です。
まとめ
- 塩害とは、海から飛来する「塩分(塩化ナトリウム)」が金属や電子機器などに付着し、腐食やサビ、劣化を引き起こす現象です。
- 塩害に強いカメラを選ぶ際は、本体素材、防水・防塵性能、ケーブル・コネクタ部分の対策など、必要な要素が組み合わさっているモデルを選ぶことがポイントです。
- 定期的な清掃や点検、防塩カバーの設置など運用面での工夫を加えることで、長期間にわたり安定した性能を維持できます。
塩害環境にカメラを設置する際のポイントや運用方法についておわかりいただけたでしょうか?
沿岸部や港湾、リゾート地などの海沿いの環境でカメラの設置を検討されている方や、設置の際に確認しなければならない点が多く疑問や不安がある方は、ご相談承りますので、システム・ケイまでぜひご気軽にお問い合わせください!




