防爆カメラとは?設置や選び方について解説

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基礎知識 —

こんにちは!ネットワークカメラとIP監視カメラシステムのシステム・ケイです。

防犯や安全管理のために設置するカメラの1種に「防爆カメラ」というものがあります。この記事では防爆カメラについて、選び方やおすすめ機種も含めて解説します。

防爆カメラとは

防爆カメラとは読んで字の如く、「爆発を防ぐ構造」のカメラのことです。

爆発や火災は「可燃性のガス・蒸気」と「電気機器が発する電気花火・熱」の存在が重なったときに発生します。
このため、可燃性ガス等の存在する危険場所で使用する電気機器は
着火源となり得る火花や熱を発しない防爆構造でなければなりません。
※着火源 …燃えるのに必要な熱を、可燃物と酸素に与えるもののこと

防爆カメラは、危険場所でも安全に使用するために防爆規格に準拠したカメラなのです。

危険場所の定義

「火災や爆発の原因となり得る可燃性ガス・蒸気が発生する可能性がある、または存在している場所」
のことで、可燃性ガス等が存在する時間や、発生頻度により0~2種の3種類に分けられています。
 

防爆カメラは火災が起きやすい場所に設置するカメラ

石油精製・石油化学、化学合成プラントをはじめ、塗装関連の工場、医薬品工場、食品・化粧品業界工場など、可燃性のガスや蒸気を扱う業界は数多くあります。可燃性のガスや蒸気を扱う場所においては、一般的な現場以上に火災への注意が必要なため、設置する防犯カメラにも特別な仕様が求められます。

爆発や火災は「可燃性のガス・蒸気」と「電気機器が発する電気花火・熱」2つの条件が揃うことで発生します。カメラは電子機器ですので、使用するにあたって熱や静電気が発生します。つまり、産業プラントのような可燃性のガスや蒸気を扱う場では、通常のカメラが着火源(火気・静電気・高温・高熱・摩擦などの着火の原因となる熱を起こすもの)となる可能性が高く、火災にもつながってしまうため使用できません。


防爆カメラは火災の発生しやすい場所でも使用できる「着火源にならない仕様のカメラ」です。
とはいえ、カメラである以上、熱や静電気を発生すること自体は防げません。防爆カメラは、仮に何らかの理由でカメラ内部が爆発しても、それに十分耐えられる強度を持った箱の中に入れられています。これにより、着火源にならないことが担保されています。

火災が発生しやすい場所に設置するので、防爆カメラという言葉からは「火災が起きても壊れないカメラ」のようなイメージがあるかもしれません。しかし実際は「火災の原因にならないカメラ」と考えるとよいでしょう。
 

防爆カメラに存在する2種類の規格

防爆カメラの規格には厚労省が定めた「構造規格」と、国際的な規格に合わせた「国際整合防爆指針(整合指針)」の2種類があります。

防爆カメラとなるためには、どちらかの検定を通過し、規格を満たす必要があります。適用規格はいずれか一方だけでなくてはならず、両方の規格の一部分ずつを適用することはできません。
それぞれの規格では、防爆を表す記号がついています。記号を読み取ることで、どのような場所へ設置可能なのかが分かる仕組みになっています。
 

防爆カメラの選び方

防爆カメラを選ぶ際には、撮影能力やメモリーといったカメラとしての機能の前に、設置場所に適した防爆性能を持っているかを判断する必要があります。

その際の判断基準が、構造規格や国際整合防爆指針で防爆性能を表す記号です。記号はそれぞれの規格で異なっています。

たとえば構造規格だと「d2G4」のような表記をします。最初のアルファベットが防爆構造の種類、真ん中の数字が爆発等級(爆発時の破壊力)、右のアルファベットと数字で発火度(燃性ガスが自然発火してしまう温度)を表しています。

防爆構造の種類 記号
耐圧防爆構造 d
内圧防爆構造 f
安全増防爆構造 e
油入防爆構造 o
本質安全防爆構造 i※
特殊防爆構造 s

※「本質安全防爆構造」の「i」には試験の際の安全率の取り方により「ia」と「ib」の2種類あり、通常iのみの場合は「ia」を意味しています。

防爆構造の種類は、構造規格では8つに分類されています。防爆の説明の際に述べた「何らかの理由でカメラ内部が爆発しても、それに十分耐えられる強度を持った箱の中に入っていて着火源にならない」というのは、正確には防爆構造の一種で「耐圧防爆構造」と呼ばれています

ただ、最も一般的なものなので、防爆カメラといえば、そのようなものと考えていただいて問題ありません。後ほど紹介するカメラも、耐圧防爆構造のものです。

国際整合指針の場合は「ExdⅡBT4X」のような表記をします。それぞれのアルファベットと数字の組み合わせで、どのような防爆構造かを示しています。

国際整合防爆指針

防爆カメラは、設置場所で用いる薬品やガスに合わせた防爆性能が必要です。購入の際は、販売店と相談しながら検討されることをおすすめします。
 

現在売り出し中の防爆カメラを紹介!

耐圧防爆構造や安全増防爆構造が求められる環境で、おすすめの防爆カメラを紹介します。

AXIS P1468-XLE【JPEx防爆認証:Ex ec IIC T4 Gc、Ex tb IIIC T135°C Db】

AXIS P1468-XLE
安全増防爆構造。煙アラート分析機能を搭載した、防爆バレットカメラです。

詳細ページはこちら

 

AXIS XFQ1656【JPEx防爆認証:Ex db IIC T5 Gb、Ex tb IIIC T100°C Db】

AXIS XFQ1656
耐圧防爆構造。煙アラート分析機能を搭載した、防爆カメラです。

詳細ページはこちら

 

AXIS XPQ1785【JPEx防爆認証:Ex db IIC T5 Gb、Ex tb IIIC T100°C Db】

AXIS XPQ1785
耐圧防爆構造。煙アラート分析機能を搭載した、防爆PTZカメラです。

詳細ページはこちら

 

ORIENT BRAINS RC-360DL【JPEx防爆認証:Exd Ⅱ CT6】

ORIENT BRAINS RC-360DL/D
耐圧防爆構造。水平360°旋回型ドームカメラです。重量は13.6kgと重いです。

詳細ページはこちら

 

ORIENT BRAINS XD-500HD Ⅲ【JPEx防爆認証:Exd Ⅱ CT6】

ORIENT BRAINS XD-500HDⅢ
耐圧防爆構造。多目的耐圧防爆カメラ XDシリーズの1つで、デイナイト機能を搭載しています。フード付きや、空冷用カバー付きなどのオプション品があります。

詳細ページはこちら

 

まとめ

  • 防爆カメラは「着火源にならないカメラ」
  • 設置場所に合わせた防爆性能が必要
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
システム・ケイでは、さまざまタイプの防爆カメラをご用意しております。
お客様のご利用シーンに合わせた防爆カメラのご提案も可能ですので、ぜひお気軽にご相談ください。

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