SNMP(Simple Network Management Protocol)とは?ネットワークカメラに関する知識
こんにちは!
システム・ケイのクッキーです。
今まで「HTTP」「RTSP」と、ネットワークカメラで使用されるプロトコルについて紹介記事を書いてきました。
今回は第3弾として、「SNMP(Simple Network Management Protocol)」をご紹介します。
そもそもプロトコルとは?
初めに簡単なおさらいです。
そもそもプロトコルとは何でしょうか?
プロトコルは、「コンピューター同士がやり取りをする為のルール」のことでした。
コンピューターの世界では目的ごとに、情報をやり取りする際のルールを厳格に定めています。
そんなルール(プロトコル)の1つが今回紹介する「SNMP」です。
SNMPとは?
SNMP(Simple Network Management Protocol)とは、ネットワークに繋がる機器が正常に稼働しているかを監視するための通信ルール(プロトコル)のことです。
コンピューターシステムに必要な、「止まらない」こと
最近のコンピューターシステムはどんどんと便利になっていますよね。
業務システムで作業の効率化をしたり、監視カメラシステムで防犯を行ったり、通販システムによるネット通販は、「もう生活に欠かせない」という人もいるのではないでしょうか?
しかし、便利だからこそ、システムが故障などの理由で止まった時はとても大変です。
業務システムなどは、故障したら仕事をすることもできなくなる、なんて人もいるかもしれません。
そのため、システムが止まらない為に様々な工夫がされています。
機器が壊れにくいように設計されたサーバールームを用意したり、停電しても機器が動き続けるように補助電源を用意したり、スペアの機器を用意したり。
SNMPもそういった工夫の一つです。
SNMPは機器が正常に稼働しているかの監視を行う
SNMPは、機器が正常に稼働しているかを監視するためのプロトコルです。
この、「機器が正常に稼働しているかを監視」とは、具体的にどういったことをいうのでしょうか?
いくつか具体例を挙げると・・・
- 機器のCPU・メモリの使用率はどのくらいか?
- 機器の温度は正常な範囲か?
- 機器の部品に故障はないか?
- ネットワークトラブルが起きていないか?
などの、機器の故障や、故障に繋がる原因の監視を行います。
SNMPが機器の異常を発見すると、管理者に通知を送ります。
このため管理者は、機器の問題発生に対して速やかな対応を行うことができます。
SNMPの仕組み
SNMPが行う監視とは、実際にはどのようにして行われているのでしょうか?
ここでは、SNMPの簡単な仕組みについて説明します。
SNMPエージェントとSNMPマネージャー
SNMPで行う監視には、「SNMPエージェント」と「SNMPマネージャー」という2つの役割を持つアプリケーションが必要です。
SNMPエージェント | SNMPマネージャー | |
---|---|---|
役割 |
|
|
インストール先 | 監視する機器 | 管理サーバー |
「SNMPエージェント」は、実際に機器を監視するアプリケーションです。
監視を担当した機器を常に見張り、何か異常があったら「SNMPマネージャー」へ情報を送ります。
「SNMPマネージャー」は「SNMPエージェント」を管理します。
エージェントに機器監視の開始/停止を命令したり、エージェントから送られる情報をユーザーに通知したり、、、マネージャー(上司)がエージェント(部下)を管理するイメージです。
SNMPとネットワークカメラ
SNMPはどんな機器で使われる?
SNMPは、ネットワークに繋がる機器が正常に稼働しているかを監視するためのものでしたが、SNMPで監視をする「ネットワークに繋がる機器」とは具体的にどのようなものでしょうか?
例えば・・・
- コンピューターシステムが稼働しているサーバー機器
- そもそもネットワークを構築するのに欠かせないルーターやハブ
- そしてもちろん、ネットワークカメラもその一つです!
ネットワークカメラが止まらない為の工夫
防犯や防災に役立つネットワークカメラは当然、「止まってはいけない」機器になります。
もちろんその為にネットワークカメラは、何年も動き続けられるようにハード面でとても丈夫に作られています。
何年も電源をいれっぱなしでも壊れないように負荷に強い電気部品を使用したり、雨や風、強い衝撃にも耐えるハウジングをほどこしたり...
ただ、ネットワークカメラも機械である以上は100%壊れないということはあり得ません。
そういった万が一に対して、出来る限り早く対処する為の工夫の一つが、今回紹介したSNMPです。
不調や故障が発生しても、それをすぐ知ることができれば、完全にカメラが止まる前に交換することも可能です。
防犯や防災の為のものだからこそ、そもそも壊れない、万が一壊れてもそれをすぐ知ることができるように考えられているのです。
まとめ
- SNMPとは、ネットワークに繋がる機器が正常に稼働しているかを監視するための仕組みのこと
- SNMPの仕組みは「SNMPエージェント」と「SNMPマネージャー」という2つのアプリケーションで成り立っている
- ネットワークカメラは、止まらない為にハードウェアとソフトウェアの両方から工夫がされている
- SNMPはそのソフトウェア面での工夫の一つ
▼関連するリンク▼
■HTTP(Hyper Text Transfer Protocol)とは、ネットワークカメラとの関係
■RTSP(Real Time Streaming Protocol)とは?ネットワークカメラに関する知識