赤外線カメラとは?仕組みやメリットについて解説

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基礎知識 —

こんにちは!
ネットワーク監視カメラとAI画像認識システムのシステム・ケイです。

今回は、監視カメラの種類のひとつ「赤外線カメラ」について解説していきます。

赤外線カメラとは?

赤外線カメラとは?

人間の目には見えない光「赤外線」を使って、暗闇でも撮影ができるカメラです。
夜の倉庫内や街灯のない森の中といった、通常の光が全く届かないような場所でも撮影を行うことが可能で、防犯対策や野生動物の研究といった用途に使用されています。

赤外線カメラの仕組み

カメラに赤外線を照射するライトがついていて、赤外線の光で周囲を照らしライトアップすることで、暗闇でも撮影を行えます。
赤外線は波長によって近赤外線、中赤外線、遠赤外線の3つに分かれますが、監視カメラではその中でも人の目に見える光に近い特性を持つ近赤外線が主に使われます。

昼間は通常の撮影を行い、夜になったり明かりを消したりして暗くなるとセンサーが感知して自動的に夜間撮影モードに切り替わります。

暗視カメラ、サーマルカメラとの違い

赤外線カメラと似た性質を持つカメラに、「暗視カメラ」「サーマルカメラ」があります。
これらと赤外線カメラの違いを解説します。

暗視カメラとの違い

暗視カメラは、暗所補正によりわずかな光を増幅して撮影ができるカメラです。
暗所でもわずかな光があれば鮮明にカラー撮影が行えます。

全く光がない状況でも撮影できる赤外線カメラと違い、暗視カメラには少しの光が必要です。
また、赤外線カメラは基本的に白黒で撮影されるのに対し、暗視カメラはカラー撮影ができます。

サーマルカメラとの違い

サーマルカメラは、赤外線を利用してカメラに映る物の温度を測ることができるカメラです。
物質から放射される赤外線は温度が上がるほど量が増えるため、赤外線量を観測することで物の表面温度がわかる仕組みです。

サーマルカメラで撮影した物を、赤外線量に応じた色のグラデーションで表示することで温度を可視化する装置がサーモグラフィーです。

赤外線を利用することや暗闇でも使える点は赤外線カメラと同じですが、使用目的が大きく違います。

赤外線カメラのメリット

完全な暗闇でも撮影可能

前述の通り、暗視カメラでも撮影できないような完全な暗闇でも撮影ができます。
そのため、街灯のない真っ暗な場所に監視カメラを設置する場合は赤外線カメラ一択と言えるでしょう。

暗視カメラに比べて安価

赤外線カメラは暗視カメラに比べ、本体価格が比較的安価です。
また、消費電力も小さく維持コストが低いのが特長です。

赤外線カメラの見え方

実際に赤外線照明がどれ程の性能を持っているのか検証をしてみました。
使用するカメラAXIS P1448-LEは赤外線照明を内蔵しており、屋外設置が可能な4K撮影に対応したカメラです。

AXIS P1448-LEは販売終了しており、AXIS P1468-LEが後継機種となります。
後継機種の性能については後述しておりますので、是非参考にしてください!
AXIS P1468-LEの製品ページ

昼間の室内を撮影

昼間の室内を撮影

十分な明るさがあるため、室内が鮮明に撮影されます。

夜間の室内を撮影(赤外線照明オフ、ナイトモード無効)

夜間の室内をナイトモード無効で撮影

窓からの街灯光だけが僅かに見えますが、棚に置いてある物は判別できません。

夜間の室内を撮影(赤外線照明オン、ナイトモード有効)

夜間の室内をナイトモード有効で撮影

白黒映像になりますが、昼間の時間帯と同様に室内が鮮明に確認できます。
赤外線照明はカメラ内蔵タイプ以外に、屋外に設置可能な単体の赤外線照明もありますので是非ご相談ください。

おすすめの赤外線カメラ

暗闇でも鮮明な映像を撮影できる、おすすめの高性能赤外線カメラを紹介します!

AXIS P1468-LE:4K撮影に対応したカメラ

P1468-LE


AXIS P1468-LEは、AIによる高度な分析能力と4K撮影に対応した優れた画質を提供します。OptimizedIRにより、追加の照明なしで最大40m先の暗闇監視が可能です。
サイバーセキュリティ機能が組み込まれているこの堅牢な屋外対応カメラは、様々な場面に適用できます。
また、耐衝撃性および耐候性に優れているので、場所を問わず活躍します。

詳細ページはこちら

選ぶ時の注意点

赤外線カメラを扱う上での注意点を解説していきます。

赤外線の光が届かないところは撮影できない

赤外線照明の照射範囲は一般的な赤外線カメラで15m程度、広範囲を照射できる野外設置用の赤外線カメラでも25〜30m程度がほとんどです。
当然ですが、これよりも遠い場所、つまり赤外線の光が届かない範囲の撮影はできません。

実際に撮影できるのは記載の最大照射範囲の半分程度と思っておくのが良いでしょう。

赤外線を照射するLEDライトに寿命がある

赤外線を照射するLEDライトが切れてしまうと、夜間監視カメラとして機能しなくなってしまいます。
LEDライトは寿命が長いと言われますが、一般的には監視カメラ自体の寿命よりは短く、ライトが切れると交換しなくてはいけません。
また、機種によってはLEDライトだけの交換は不可能なものもあるため注意が必要です。

反射で白飛びしてしまうことがある

赤外線は非常に反射しやすい性質を持っています。特に白色に反射しやすい傾向があるため、白い服装をしている人や物が映像に映ると、その周りが白飛びしてしまうことがあります。

また、夜間以外にも白飛びしてしまう場合、「最低照度」という指標が原因かもしれません。
一般的に赤外線カメラは光の強さを感知して、自動的に赤外線機能のオンオフを切り替えます。最低照度の値が低ければ低い程、暗くなっても赤外線機能がオフのままカラー撮影をすることができます。

つまり、白飛びの原因の一つである赤外線そのものを出す時間を少なくできれば、白飛びを減らすことができるということです。

最低照度(最低被写体照度)は、数値が低ければ低いほど、暗い中でも撮影をすることができます。
単位は「ルクス(Lux)」で表され、値が高いと明るく、低いと暗いことを表します(値が0だと暗闇を指します)。
以下の記事ではより詳細に最低照度について解説しています。
ぜひ今後の監視カメラ選びの参考にしてみてください!
最低照度(最低被写体照度)とは?カメラと照度の関係性を知りましょう!

まとめ

  • 赤外線カメラは、完全な暗闇でも撮影が可能なカメラ
  • 昼間、夜間モードが自動で切り替わり、夜間モードでは白黒の映像になる
  • 暗視カメラに比べて安価で消費電力も小さい

最後までお読みいただきありがとうございました。
赤外線カメラの導入を検討中の方は、ぜひシステム・ケイまでお気軽にお問い合わせください。

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