PoE対応ネットワークカメラの消費電力について
こんにちは!システム・ケイ昭和生まれのヨッシーです。
ネットワークカメラの消費電力についてお話しします。
標準電力と最大電力
ネットワークカメラのスペックシートに消費電力の記載がありますが、標準電力と最大電力の2種類記載されています。(最大電力のみ記載のカメラもあります)
標準xxW、最大xxW
ネットワークカメラの電力消費
ネットワークカメラには、映像データの作成やネットワーク通信を行う基本機能があります。この基本機能で一定の電力を消費しますが、赤外線照射など、付加機能を搭載したネットワークカメラはその分だけ消費電力が増加します。
ここでは屋外対応有無(ヒーター内蔵有無)と赤外線の有無により、どれだけ消費電力が異なるか見ていきます。
屋外対応と赤外線対応による消費電力比較
AXIS P3225 MkIIというカメラを例に、屋外対応と赤外線対応による消費電力差を調べてみます。このネットワークカメラは、屋外対応有無と赤外線対応有無の組み合わせで4種類のラインナップがあります。(型番の「E」が屋外対応、「L」が赤外線対応です。ちなみにVは耐衝撃です。詳細はネットワークカメラの命名規則について〜Axis編〜を参照ください)
項番 | 型番 | 標準電力 | 最大電力 | 屋外対応 | 赤外線対応 |
---|---|---|---|---|---|
1 | P3225-V MkII | 3.5W | 4.8W | – | – |
2 | P3225-VEMkII | 4.6W | 7.1W | ○ | – |
3 | P3225-LV MkII | 6.1W | 10.2W | – | ○ |
4 | P3225-LVE MkII | 7.3W | 10.8W | ○ | ○ |
上記カメラの機能比較表です。
https://www.axis.com/ja-jp/products/product-selector#!/comparison?id=30517&id=30520&id=30511&id=30514
※相違項目が色付けされています。
以下は上記機能比較表の抜粋ですが、「内蔵IR」が赤外線、「屋外対応」が屋外対応を表しています。
「動作温度(℃)」は屋内用の動作温度が0~50℃に対し、屋外用は-40~50℃です。この屋外用カメラにはヒーターが内蔵されているため、動作温度範囲が広くなっています(すべての屋外用カメラがヒーター内蔵とは限りません)。
屋外対応および赤外線の消費電力
屋外対応(ヒーター)の消費電力と赤外線の消費電力を計算してみましょう。
「屋外対応と赤外線対応による消費電力比較」にある表の最大電力を比較します。ヒーターは項番1と2を、赤外線は項番1と3を比較することで計算できます。
ヒーター電力 | 7.1W-4.8W=2.3W |
---|---|
赤外線電力 | 10.2W-4.8W=5.4W |
屋外対応(ヒーター)の消費電力は2.3W、赤外線の消費電力は5.4Wと計算できました。
PoEハブの最大供給電力に注意
ネットワークカメラは赤外線等の付加機能により、PoEハブの最大供給電力を超える場合があります。
例えば、最大供給電力が46Wの8ポートPoEハブに7台のP3225-LV MkII(赤外線対応、標準6.1W、最大10.2W)を接続した場合、赤外線を照射していない時は42.7W(6.1W×7台)ですが、夜になり赤外線照射すると71.4W(10.2W×7台)となります。この消費電力はPoEハブの最大供給電力(46W)を超えてしまいます。夜間に一部のカメラ映像が閲覧できない、一部のカメラの赤外線が照射されないような現象が発生している場合は、PoEハブの最大供給電力をご確認ください。
赤外線 | 最大消費電力 | PoE最大供給電力 |
---|---|---|
非照射(オフ) | 42.7W(6.1W×7台) | 46W以内 |
照射(オン) | 71.4W(10.2W×7台) | 46Wオーバー |
以下のブログにも同様の記載がございます。ご参照ください。
まとめ
ネットワークカメラは付加機能有無(屋外対応、赤外線等)により、消費電力が異なります。スペックシートに標準電力と最大電力の記載がある場合は、最大電力で電力計算してください。また、夜間や冬季など一部の時間や時期に一部のカメラが正常に機能しない場合は、PoEハブの最大供給電力をご確認ください。
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