PoEとはなにか?PoEの簡単な仕組みとメリット

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基礎知識 —

こんにちは!ネットワークカメラとIP監視カメラシステムのシステム・ケイです。

弊社でも扱っているネットワークカメラはおもに防犯カメラや監視カメラなどに利用されるので、カメラの設置場所が天井や屋外という場合が多い機器です。

設置のとき問題になるのが「電源」の確保です。
天井や屋外はコンセントがなかったりコンセントの設置が難しかったりします。

このような時に便利なのが「PoE」という技術です。

そこで今回は「PoE」とはどのような技術なのか?基本的なことをお話しをしていきます!
POEスイッチングハブ

PoEとは?EthernetやLANの簡単な説明。

PoEとは?

PoE(ピーオーイー)はPower over Ethernetの頭文字を取ったもので、IEEE 802.3afおよび802.3at(PoEの規格の一種)で定義されるイーサネットの規格です。
PoEはEthernetケーブル、いわゆるLANケーブルで電力を供給する技術のことです。

EthernetとLANについて

上で「Ethernet」と「LAN」という言葉が出てきたのでこちらも簡単に説明しておきます。

「LAN」とは「ローカルエリア・ネットワーク」の略で、
比較的近い距離にある機器同士が相互にデータ通信できるようにするネットワークのことです。

この時、機器同士を接続するのに使用するのが「LANケーブル」です。
LANケーブル

身近なもので言うと、パソコンをインターネットにつなぐ際に、パソコンとモデムやスイッチングハブをつなぐときに使用するケーブルです。

このように、いろいろな機器をネットワークに繋ぐ際、どのような機器でも繋げるように規格を統一したのが「Ethernet」です。

Ethernet規格で決めたケーブルはLANケーブルを含め3種類あるのですが、現在はLANケーブルを使うのが主流となっているため、「Ethernetケーブル = LANケーブル」と考えてよいでしょう。

PoEはデータ通信と電力供給を同じケーブルで行う技術!

上記の事についてまとめると、

「PoEとは、LANケーブルを使用してネットワークの構築をしながら電力の供給ができる技術」

になります。

ですのでPoEを使うと、本来だとデータ通信のケーブルとは別に用意するはずの電源ケーブルが要らなくなり、コンセントの確保が難しい天井や屋外などでも利用できるため、ネットワークカメラなどに適した技術なのです。

PoEに対応するデバイスは、給電側が「PSE (Power Sourcing Equipment)」、受電側が「PD (Powered Devices)」、または両方に対応するものがあります。
PSEはスイッチングハブやPoEインジェクターなどで、PDはVoIP電話や無線AP、IPカメラなどです。

PSEとPDについて詳しくは「PoEの給電(PSE)・受電(PD)機器とLANケーブルについて」をご覧ください。

 

PoEのメリット

PoEには大きなメリットが3つあります。

①設置場所を柔軟に選べる

前述したように、コンセントがない屋外や天井のような特殊な場所でも利用することができるため、PoE対応ハブやネットワークカメラを選ぶことで、電源がない場所や電源を設置しづらい場所でも電力を供給できます。

②配線がすっきりする

通常の防犯カメラの場合、電源ケーブルやACアダプターなどが必要になります。
対してPoE対応のハブやネットワークカメラの場合、必要なものはLANケーブルのみのため、配線がシンプルになります。

③電源工事が不要

ネットワークカメラの導入の際、コストの大部分を占めるのが工事費用になります。
その中の電源の設置工事が不要となるため、工事費用の削減につながります。

このようにPoEは、設置場所が特殊なネットワークカメラの設置において大きなメリットになります。

対してPoEのデメリットは、本体そのものの価格や対応カメラが高いことです。
ただしPoE対応にすることで電源の工事費用を削減できるため、設置環境を考慮した上で判断しましょう。

 
ここまでざっくりとPoEとは何かや、その利点についてお話ししました。
ここからはもう少しだけ踏み込んだ、PoEの利用を考えられている方向けのお話をします。

PoEスイッチとは?

PoEスイッチとはPoE給電技術を活かして、PDへの給電・データ転送を行うネットワーク機器です。

PoEスイッチには大きく分けて2種類の方式があります。

1つ目はアクティブPoEです。
アクティブPoE方式はネットワークカメラ等に多く用いられ、接続機器がPoEに対応しているか確認した上で電力の供給を開始する形になります。

2つ目は、パッシブPoEです。
接続機器がPoE対応機器であることを確認せず、直接接続機器に電力を供給する形になります。
アクティブ方式のPoEと比べて統一された規格がないため、各社独自の電圧・電流値で使用されることが多くなっています。

ハブとケーブルの選び方

PoEに対応したスイッチングハブの選び方のポイントは以下の3つです。

  • PoEハブと繋ぎたい機器のポート数は足りているか
  • PoEハブの1ポートの給電能力がネットワークカメラの最大消費電力より大きいか
  • PoEハブの給電電力が、接続するネットワークカメラすべての最大消費電力の合計よりも大きいか

給電能力や消費電力に応じて、価格が10倍近く変わることもあります。

「PoEハブとカメラの選び方での注意点知ってますか?」も参考になるかと思いますので、ご覧ください。

システム・ケイでもPoEハブの取り扱いもしておりますので、お求めの際はぜひご覧ください!

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世界最小超小型
8ポートスイッチングハブ
参考価格
54,780円(税込み)

よくある質問

Q1,PoE対応ハブにPoE未対応の製品を接続しても大丈夫ですか?

A1,問題なく使用可能です。

Q2,PoEによる給電は何メートルまで可能ですか?

A2,規格上は最大100メートルです。
しかしLANケーブルの品質によって給電できる距離が短くなる場合があります。

Q3,長距離(100メートル以上)でLAN配線をしたいです。

A3,通常100メートルが限界のところを、PoEパススルーにより最大900メートルまで延長することができます。
電力によって伝送距離が異なるため、詳しくはお問い合わせください。

PoEってなに?PoEのあれこれ。まとめ

PoEの基本についてお話ししましたが、今回押さえておきたいのは

  • PoEはLANケーブルを利用して電力を供給できる技術
  • コンセントがない場所でも電力の供給が可能

という点です。

今回の内容はネットワークカメラ初心者向けの基礎のお話しになりましたが、他の記事ではPoEの機器やさらに詳しいお話をしていますので、ぜひご覧ください!

また、弊社の監視カメラシステム「NVR」のサイトでもネットワークカメラをご紹介しています。こちらも併せてご覧ください!

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